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Re: 緋色のムジュン恋愛帳 ( No.39 )
日時: 2014/03/04 17:52
名前: 杏月 (ID: zh8UTKy1)





「はい、これが凛羽ちゃんの初の仕事ですよ」
「えっとこれは・・ベタ塗り?」
「正解! やっぱり基本はしっかりしてるんですね」

放課後・・。昨日出会った図書館で、私は初のお手伝いをする。
本物の先生に褒められると、心の中がこそばゆい様な感じがする。
ここは丁寧に・・。

(あ、でも。早くやらないと怒られるかな!? 漫画家って締切があるから・・)

う〜ん・・と唸っていると、美弥乃ちゃんは不思議そうな顔をしてきた。

「どうしたの?」
「え、いや!! 私に出来るかな〜・・なんて」

今更何で弱音なんか吐いているのだろう。馬鹿か、私は。余計に不満に
思われてしまう・・。

「大丈夫ですよ。何事にも、気持ちがあればできます」

私もそうですよ。と付け足した。
気持ち・・・。確かにこのままじゃ、手が素早く動いてくれない気がした。

(気合注入!)

気持ちが落ち着いてきたと思ったので、私はベタ塗りを始めた。
まずは、男子の服から・・。塗っていくと、その男子は誰かに似ている
ことに気付く。

(もう一人の男子もだ・・・。どっかで見た事あるような・・・)

美弥乃ちゃんが描いている『蒼色の空』には、イケメン二人が出てくる。
その二人が、個性豊かなので読者から人気が高い。

しかし私は、あまり気にせずに作業を続けていった。