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Re: 緋色のムジュン恋愛帳【参照500感謝!】 ( No.49 )
日時: 2014/03/27 11:18
名前: 杏月 (ID: O7xH2wYh)

そう疑問に思っていたのが顔に出てたらしく、美弥乃ちゃんは言いづらそう・・
というか、恥ずかしそうな振りを見せた。

「私・・、昔は泣き虫だったんです。・・・今もですけどね」

昔の美弥乃ちゃんは泣き虫・・。何故だろう、少し予想は出来る。
内気で敬語だからだろうか。

「それで、男子に馬鹿にされる事がよくあって・・。その時は大抵、
女子は守ってくれるんですけどね。
ある日・・・、楓君が『もうやめろよ』って男子に言ってくれたんですよ。
楓君は当時は、すごいクラスの中心的メンバーの一人でした。だから
男子も、その言葉でもう、私を馬鹿にする様な発言は一切しませんでした」

こんな私でも、それだけで何となく、何故楓君が好きなのかどうか理解
ができた。
つまり———・・

「私、その時の楓君の背中がすごく大人に見えて・・・。初めて男の子を
格好いい、と思えたんです。
そこから私は・・恋が始まったんだと思います」

やはり、予想は当てっていた。
自分の恋はどうでもいいが、他人の恋話を聞くと羨ましくなる・・。私も
そういう人が出てこないかなぁ、なんて。

「・・・私もいつか、美弥乃ちゃんみたいな素敵な恋ができるかな」

そう小さな声で呟いたつもりが、彼女には筒抜けだったようで。

「大丈夫ですよ。断言は出来ませんが・・・、きっと良い人が見つかる
はずです。
凛羽ちゃんは、良い人ですから!」

最後の言葉には「そんな事ないよ」と否定を入れてしまったが、正直
嬉しかった。
恋・・・。いつか、私の目線が奪われる人が現れるだろうか。
まぁ、気長に待っていたほうがいいだろう。
そんな時、ガラッと扉が開いた音がした。