コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 緋色のムジュン恋愛帳【参照500感謝!】 ( No.50 )
日時: 2014/04/29 10:13
名前: 杏月 (ID: ieojggCq)

「おーい、いる?」
「!!??」
「あ、沙空君・・・」

 扉を開けて、最初に声を出したのは沙空君だった。・・・彼が来たという事は、あの人も——。

「・・・お前もいたのかよ」

 やはり楓君も一緒だった。・・・しかし、まだ私に目をつけているのか。
 その言葉に私は、どういう反応をすればいいのか分からなかった。そんな私は、チラッと美弥乃ちゃんを見る。
 彼女なら助けてくれるだろうと思ったが、

「・・・」
「・・み、美弥乃ちゃん」

 私は美弥乃ちゃんの姿を見て苦笑する。美弥乃ちゃんは、顔を真っ赤にして体全体が震えている。しかも、楓君にバレないように、俯いてその気持ちを抑えようとしているのが、分かる。
 大丈夫かな・・・。

「・・・どうしたの、美弥乃ちゃん。何か震えてるけど」
「!?」
「あっ・・・」

確かに楓君にはバレなかった。しかし、もう一人の幼馴染、沙空君に勘付けられた。
 けど、彼の言葉で結果、楓君にも気づかれたんだけど。今までの事は秘密にしている以上、言葉が見つからない。

「なっ・・何でもない! 何でもない!
ただ、凛羽ちゃんの恋話聞いてたら恥ずかしくなってきちゃって・・」

 これが、美弥乃ちゃんの言い訳。———・・・ってえぇ!?
 私を使ってきたのか・・・。しかし、ここで「違うよ」と言っても他の言い訳が見つからない。ここは、否定はしないとこう。

「そうなの?」
「こっ・・・恋話と言っても、漫画のネタですよ、ネタ!」

 しかし、私だって勘違いはしてほしくない。美弥乃ちゃんの言葉だけだと、私が誰かに恋をしている——と思われる可能性が高い。
 私がネタと言い「そうだよね!?」と聞くと、美弥乃ちゃんも慌てながらも「うんうん!」と大きく頷く。

「そっかー。楽しそうで何よりだよ」

 沙空君は、疑ったりはしないで信用してくれた。いや、もしかしたら嘘という事は分かってるかもしれない。言いたくない事かもしれない・・。と考え、詮索はしない様にしたんじゃないかな。
 優しいなぁ・・。
 しかし一方、楓君は顔がもう、疑ってる気満々だ。信じてください。他に言い訳が見つかりませんもの・・。