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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 緋色のムジュン恋愛帳【参照500感謝!】 ( No.52 )
- 日時: 2014/03/31 15:46
- 名前: 杏月 (ID: O7xH2wYh)
「で、どうするの楓」
「は? 何が」
沙空君の言葉の意味が分からなくてキョトンとしている楓君。・・まぁ、私もなんだけどね。
何が「どうするの」なんだろう。
「美弥乃ちゃんの事。嘘・・ついてたみたいだけど」
アハハ、と彼女の顔を思い出したのか・・、笑いながら話す沙空君。
楓君は数秒間無言だったが、やっと口を開いた。
「・・まぁ、アイツにも隠したいものってのがあるんだろーよ」
「おぉ。珍しく優しいね」
「何が珍しいだ!」
へ〜。予想してた反応とは全然違って、少し見直した。
私は、自分が素直に吐くまでしつこく質問攻めしてくると思っていたが・・。
私も、失礼な人になっちゃったかな。・・お愛顧という事でいいか。
美弥乃ちゃんの言う通り、意外と優しい人かもしれない。
「こいつが関わってるのが、気に食わねぇがな」
「ちょっと!!」
チッ、と舌打ちをしてきた・・。前言撤回!! やっぱり優しくない。最低な人だ・・。
これで昔は、美弥乃ちゃんを守っていたというのか・・。全然想像がつかないのだが。
「・・・じゃ、俺は帰る」
「んー。バイバ〜イ」
沙空君は、手を振るが楓君は変な目で返した。決して、手を振る事はなかった。
私は手は振らなかった。何か・・、振りたくなかったから。その代わり、背中が見えなくなるまで見送ってた。
「じゃあ、私も・・・」
「うん。・・でも、あれどうする?」
「あれ?」
うんあれ、と机の上にある物を指差す。
その先は・・・漫画の原稿だ。・・・もしかして美弥乃ちゃん置いていったのか。
思い出すと、鞄を勢いおく持って帰ってしまった。片付けする時間もなかったくらい慌ててたんだ・・。
「しょうがない・・、持っていくか。凛羽ちゃんも来る?」
「え、私ですか?」
「うん」
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