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Re: 緋色のムジュン恋愛帳【参照500感謝!】 ( No.53 )
日時: 2014/04/01 17:28
名前: 杏月 (ID: O7xH2wYh)





「ここが、美弥乃ちゃんの家か〜!」
「うん。大きいマンションでしょ。僕もここに住んでるんだけどね」

 そんなこんなで、私は沙空君と共に美弥乃ちゃんの荷物(原稿)を、届ける事にした。
 目の前には数えてはないけど、二十階以上はありそうなマンション。・・階が多い程、家賃が高いっていうのを聞いた事があるけど、一人暮らしって訳ではなさそう。
 ついでに、マンションの入口には泥棒対策(?)の為の、セキュリティがある。すごいなぁ・・。

「凛羽ちゃんは、一軒家?」
「はい。生まれた時からずっとです」

 マンションというと、一軒家より大変そうな気がする。
 近くの住人に気を使わせたり、部屋が狭い。でも、人によっては暮らしやすいっていう意見もあるんだよね。

「着いた、ここだよ。
・・・帰ってるかな。編集社に寄ってなきゃいいけど」

 そう言いながら、ピンポーンとチャイムを鳴らす。確かに、そういう事はありそうだ。しかも漫画家だから、忙しくて出てくれないかもしれない。
 しかし、予想は大外れで「はーい」と、さっきの美弥乃ちゃんとは、別人と思えるくらいの落ち着きのある声が聞こえた。

「・・あ。沙空君、凛羽ちゃんも。どうしたの?」
「お届け物」

 この反応・・・、忘れ物に気づいていなさそうだ。もし私達も気づかなかったらどうなっていただろうか。

「お届け物・・・?
あー! 忘れてた・・・」

 とんだ鈍感っ子が現れた。やはり、気づいてなかったんだ。
 美弥乃ちゃんはペコペコと頭を下げながら「有難う」と、笑顔でお礼をしてくれた。