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「・・・届けない方が面白かったかも。明日には掲示板に貼られてたりして」
「もう！ やめてよ！！」

　美弥乃ちゃんは怒りながらも、笑っている。・・・Ｍなのかな？
　沙空君はその表情を見て「御免御免」と言いながらも、楽しんでいる。そんな二人の仲良しさを和んでいるはずだったのに、何故か胸騒ぎがして落ち着かない。・・・何で？
　すると美弥乃ちゃんはこちらを見ているのに、気がついた。私は首を傾げるとパクパクと金魚の様な口真似をしていた。

（・・・もしかして、口パク？）

　そう思い、彼女の言いたい事を頑張って解読してみる。こういうのはよく小さい頃、伝言ゲームとかで遊んだ事があるから自信はある。・・こんなのに自信があっても意味がない気がするけど。

『あ の 事 知 ら れ て な い ？』

　多分こう言っていると思う。最後のハテナは首を傾げて表現をしていた。可愛いかった。
　口パクでやられたので、こちらもそれで返す。

『大 丈 夫 だ よ』

　まぁ、何か隠しているって事はバレたけどね。美弥乃ちゃんが楓君の事好きっていうのは、バレてない・・と思う。
　美弥乃ちゃんに伝わったのか、ホッと胸を撫で下ろす。そんな私達を不思議に思ったのか、沙空君は「何してんの？」と、しつこく美弥乃ちゃんに攻める。
　沙空君って・・結構Ｓなんだ。