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Re: 緋色のムジュン恋愛帳【美弥乃ボイス公開!】 ( No.71 )
日時: 2014/04/29 13:59
名前: 杏月 (ID: ieojggCq)


 気がついたら私は、学校の図書館で突っ立っていた。
 何でこんな所に・・。

「何で素直にならないの? 口にした方が気持ちいいよ?」

 美弥乃ちゃんだ。何て、悲しく今にも涙が出そうな瞳をしているのだろう。
 もうちょっと覗いてみる。けど顔だけ見れなかった。
 誰? 誰なの——・・・?

「これが俺らしくていいだろ? 今までこういう風で生きてきたんだ。
アイツを傷つけた。・・嫌いになっただろうな」
「馬鹿!」

 珍しく彼女は怒鳴った。
 何があったのだろう。もっと知りたい。知りたい——けど、近づこうとするたび二人は遠のいていく。

「・・待って」

 分からない。何でこんな言葉を発しているのか。

「待って! 追いていかないで!」

 その時、美弥乃ちゃんと一緒にいた人が振り向いた。
 あれは——・・・。

「まっ・・・」

 私の声が図書館で響いたが、美弥乃ちゃん達には届いていない。
 自分の姿が消え、数秒後、その残った声も聞こえなくなった。







「———はぁはぁ・・・」

 何で私はこんなに息切れをしているの? 変な夢でも見ていたのだろうか。
 寝ていたはずなのに、気がついたら目が覚めていて、体から汗が出ている。夢・・・思い出そうとしても全く思い出せない。

「何なの、本当・・・」

 耳に入ってくるのは、時計の針がチッチッと動く音だけ。時間を確認するとまだ一時、夜中だ。
 不安というか、何故か胸騒ぎがしたが私はまた寝ることにした。