PR
コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 緋色のムジュン恋愛帳【美弥乃ボイス公開!】 ( No.73 )
- 日時: 2014/05/02 23:01
- 名前: 杏月 (ID: ieojggCq)
*
「——昨日の事?」
そう沙空君に聞かれ、コクコクと頭を頷かせる。
休み時間に彼を屋上に連れ出し、あの事について話している最中だ。沙空君は何だか、分かっててわざと分からない振りをしている気がする。
「・・・もしかして凛羽ちゃん、その事でずっと悩んでたとか?」
「そう、なんです・・・」
やはりバレていた。少し化粧をして隈を隠していたのだが・・・。
変な夢(?)を見た後、すぐに寝ようとしたのだが、簡単には言う事を聞いてくれず、そのまま朝が来てしまったのだ。
「考えるも何も、そのまんまの意味なのに」
「その『そのまんまの意味』が分からないんですよ! ・・・本気なんですか?」
一番知りたいのはそれだ。いや、本当に知りたいのは沙空君の気持ちじゃなくて、自分の気持ちなのかもしれない。
結局、私は私の事を理解出来ずにここにいる。
「本気だよ。軽そうとかよく言われるけど、そーゆー事で嘘なんかつく程、馬鹿じゃないんだ」
「・・・」
確かに沙空君はいつも発言が軽そうに聞こえる。今だってそうだ・・。
その言葉も嘘なんじゃないかって、そう言ったら喜んでくれるんじゃないかって・・・。
「凛羽ちゃんは・・どうなの?」
「私は・・・」
聞かれる事は何となく予想はついていた。
しかしさっき言った様に、私は全く理解をしていないのだ。どう言えばいいのか・・・それさえ分からない。
PR