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Re: 緋色のムジュン恋愛帳【美弥乃ボイス公開!】 ( No.76 )
日時: 2014/05/06 09:59
名前: 杏月 (ID: ieojggCq)



「分からない・・・。自分が今、どういう気持ちなのか、サッパリ」
「そっか」

 ハッキリしない返事だから、きっと心の中で怒っているかもしれない。だけど沙空君は、薄く笑ってくれた。
 すると彼は、私の頭にポンと手を置いて何故か撫でてくれた。

「僕も行き成りすぎたから、意味が分からなくなるのは当たり前だよ。・・・ゆっくり考えて。僕はいつでも待ってるから」
「・・・有難う」

 沙空君の優しさにキュンと心が安らいだのと同時に、何か悪い事をしてしまった気がした。
 私の勝手な事情で返事を長くさせるなんて・・・。自分を責める事しか出来ない。

「駄目だよ」
「・・え?」
「自分を責める事なんて、やっちゃいけないよ。僕は大丈夫だから」

 顔に出てたのかな。そうならば、すごく恥ずかしくなった。
 私は絶対顔が赤くなってるから手で隠した。

「んー? どうしたの、凛羽ちゃん」
「なっ、何でもない!!」

 アハハと私をイジってくる沙空君。それが可笑しくて面白くて、私もつい笑ってしまった。
 彼といると安心する。・・・これが『好き』っていう気持ちなのかな?