コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 緋色のムジュン恋愛帳【参照1000感謝!】 ( No.81 )
日時: 2014/05/31 11:55
名前: 杏月 (ID: ieojggCq)

 ゆっくり考えて、と沙空君は言ってくれた。私はその言葉に甘えていたが・・・。私はある事に気づく。
 そんな事をしているから、呆れられるんじゃないかと。
 『中学時代』と同じ扱いにされるんではないか? また捨てられるんじゃないかと。

 そう考えると・・・怖い。沙空君がそんな事はしないとは思うが・・・いや、今までの人もそうだった。
 ずっと一緒にいたのに、一つの言葉で態度がまるで別人のように変わっていた。

「・・・いいよ」
「え?」

 沙空君は何の事? と首を傾げる。
 ここにきて、初めての『友達』。嫌われたくない、捨てられたくない。

「私、沙空君と付き合いたい」
「えっ?! でもさっき・・・」
「私もっ! 沙空君の事、好きなの!」

 妬けになってしまった。バレてしまったかもしれない。゛嫌われたくないから″・・・。

「・・・ホント? すげー嬉しい!」

 けど沙空君は、疑いの一つもしないで喜んでいた。
 その顔を見て私は・・・胸が痛んだ。こんな風だから私は・・捨てられたんだ。
 バレたら終わりだ。中学時代は、良い子な『葉月 凛羽』を演じていた。今は、沙空君の恋人である『葉月 凛羽』を演じる事になるんだ。