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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.21 )
- 日時: 2014/01/19 11:10
- 名前: いろはうた (ID: UgVNLVY0)
*…これで、完全に変人の烙印を押された。
撫子は、げっそりとした表情で講堂を目指して走る。
だけど、これで四条君の、一人の命を守れるなら、あまりよくないが仕方ない。
講堂の前で、撫子は足を止め、背中からリュックを降ろすと手を握りしめた。
だめだ。
震えてしまう。
…怖いのだ。
撫子は古き巫女一族の末裔。
常人とは違い、その身に霊力を宿している。
それ故に、幼いころから、気や霊力を感じることができた。
今、行動の分厚い扉の向こうから感じるのは霊力。
これまでに感じたことのことのない、異質な、それでいて巨大な。
撫子は一度目を閉じ、息を深く吸うと、目を見開いた。
『精製』
青き言ノ葉の力により、髪が少しずつ銀に染まり瞳が輝く。
青に。
深き青に。
脱力感と共に、倦怠感が全身にまとわりつく。
代わりに、身の内にあった霊力が浅葱色の霧となって具現化し、
撫子の右手に吸い寄せられ何かを形作りはじめた。
優美な弧を描く三日月だ。
うっすら浅葱を帯びた刀は、月のごとき輝きを放っている。
撫子は、その手の震えをごまかすかのように刀のつかを握りなおした。
こぼれ落ちた銀の髪を耳のうしろにかきあげる。
この異様な目と髪の色見られたら、撫子の平凡な学校生活が終わる。
何が何でも、この姿を他人に見られる前にことを終わらさなければ。
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