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Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.53 )
日時: 2014/02/08 13:26
名前: いろはうた (ID: 6Bgu9cRk)

*「あ、あの…?

 四条 ワカメ君でしょう………??」


四条君は、ため息をついた。


「んな、海産物みたいな名前みたいなやつ、いるかっての。

 まったく…」


彼は地面に落ちていた小枝を手に取ると、地面に何かを書き始めた。





四条 和火





「これが、おれの名前」

「しじょう…わか…?」

「よくそうやって間違えられるけど、そうじゃない。

 和火と書いて、カズヒと読む」

「かず…ひ…」

「おまえの名前も呼ばないとな。

 えーっと…たしか…水無月…なめこ…?」


…………。


「…もしかして、今、私の名前、呼んだ?」

「水無月ナメコだろ?」

「な、で、し、こ、です!!

 和火君だって人のこと言えないじゃん!!」

「ナメコ…っていうより、ナタデココっぽい名前だな…」

「ちょ、ちょっと!?

 人の話、聞いて——————」

「…知ってるよ、ばーか。

 水無月なでしこ。

 撫子だろ。

 ……最初から、名前ぐらい、知ってる」


なでしこ。

なんだか、和火にそう呼ばれると、自分の名前が特別なもののように思える。

胸のあたりがじわりと熱くなった。

あ、私、喜んでいるんだ、とどこか他人事のように感じた。


「ああ、あと、君、もいらない。

 呼び捨てでいい」

「…わ、わかった。

 か、か、かかかかかかかかかかかかかかか和火…」

「…そんなにどもるなって」

「お、お話が、あります」

紫っぽい瞳がこちらを見た。

視線が言葉の先を促す。

それに勇気づけられて、撫子は重い口を開いた。