コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.54 )
- 日時: 2014/02/09 00:15
- 名前: いろはうた (ID: 6Bgu9cRk)
*「まず…ごめんなさい」
「…だからなんで謝るんだよ」
「よくわからないことに、巻き込んじゃったから…」
「別におまえのしじゃない。
おれが勝手に巻き込まれに行っただけ」
「でも…」
「……それ以上うじうじなんか謝るんだったら、今度からおまえのこと、
ばかなめこって呼ぶから」
…ばかなめこってなんだばかなめこって。
「…もうひとつ、言わないといけないことがあるの」
不安が心をうめつくす。
だが、嫌われようと、奇異の目で見られようと、巻き込んだのは撫子なのだから、
言わなくてはならない。
事実を。
「まず、私は普通の人間じゃない。
霊力を有する」
「霊力…」
彼は静かに撫子の言葉を繰り返す。
「…うん。
霊力っていうのは、霊的な力のこと。
これがなくなると私の場合、気絶しちゃうし、精霊とかの霊的な存在は消滅する。
私の一族は、この霊力を使って、言霊を『話す』ことができる古い巫女の一族。
言霊を『話す』ことで悪霊とかを倒して、人を守ってきた」
「それで、学校であの黒い化け物倒そうとしてたわけ?」
撫子はうなずくと、眉根をよせた。
「いつもだったら、すぐに倒せるはずだった。
現代の世は、空気中の霊力が薄くなってきているから、悪霊とかも住みにくい世になってきたの。
…でも、あれは、違った…。
どう言ったらいいかわからないけど、今までの悪霊とはなにか違ったし、
比べ物にならないくらい、ヤバかった…」
「…ふーん…」
それ以上うまい言い方が見つからず、撫子は少しの間口を閉じてからもう一度開いた。
「とりあえず、私たちは、あの黒いモノに飲み込まれてここにいると考えていいと思う。
…この世界から、出る方法…探さないと…」
「それは違う」
「違うって…なにが?」
「この世界で生き残る方がもっと大切だろ。
そうじゃないと、この世界から出る方法も探せない」
「…うん」
きっと二人で、元の世界に戻ってみせるんだ。