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Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.72 )
日時: 2014/02/14 00:05
名前: いろはうた (ID: 6Bgu9cRk)

*次の日の朝。

和火の目の下には、くっきりとしたくまがあった。

リュックの中に残っていたカロリーメイトを二人は分け合って、朝ご飯として食べていた。

食べながら、撫子はじっとそれを見つめていた。


「和火…やっぱり、野宿だと眠れなかった…?」

「………そもそも寝ようとしてな…」

「…え?」

「………なんでもない」


…もしかして、寝ずの番をして、夜通し起きてくれていたのだろうか。


「それより、食べるものないし、水もない。

 川と食べれそうなもの、探さないとな」

「うん…」


たしかにこのままだと餓死してしまう。


「私、ちょっと跳んでくる」

「……おまえ、頭大丈夫…?」

「そ、そういう意味じゃなくて…言霊使って跳んで、森の周囲とか上から見てみる。

 もしかしたら近くに人が住んでいるかもしれないし…」


すると案の定、和火は顔を渋くした。

撫子は、あわてて言葉をつづけた。


「もう、大丈夫だから!!

 ほらって…ひゃっ」


元気な証拠を見せようと立ち上がろうとした頭をぐいっと押さえつけられた。


「まだじっとしてろっての…ばかなめこ」

「ば、ば…っ!?」

「顔色悪い。

 まだ、大丈夫じゃないだろ」


撫子はぽかんと口を開けた。

なんでばれたんだろう。

だが、彼は知らないに違いない。

撫子の霊力がまだ半分も戻っていないことを。


「だ、大丈夫だってば!!

 とにかく、跳んでくる!」


動揺をごまかすかのようにして、和火の手を頭からひっぺはがす。

人から心配されるというのは、なんだかくすぐったい気持ちになる。

撫子は、立ち上がって強く地を蹴った。




『跳躍』