コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.79 )
日時: 2014/02/14 23:43
名前: いろはうた (ID: 6Bgu9cRk)

*撫子は、地上から約50mほど上空をふよふよと浮かんでいた。

浮遊の言霊を使っているため、彼女の藍の瞳は鮮烈な青に輝き、

濃い灰色だった髪はまぶしい銀髪に変わっていた。

その青玉のような瞳を右に左にきょろきょろ動かす。

360度、見渡す限り、一面の緑だ。

どうやら、自分たちは時空間移動のようなものをして、とつもなく大きな森のど真ん中にいるらしい。

撫子は目をスッと細めた。

南の方だけ、森がとても遠い所でぷっつりと切れている。

不自然な途切れ方だ。

人が住んでいるのかもしれない。

少しだけ、希望が見えた。

大きく息を吐いて、吸う。

この世界の空気は冷気に満ちている。

自分たちががもといた世界よりも、ずっと霊力が濃いのだ。

おかげで多少は霊力の回復が早い。

いつもだったら霊力の回復にはもう少しかかるはずだが、今は、こうして

軽い言霊ぐらいなら『話せ』るほどには回復している。

不思議な心地で手を握ったり開いたりしていたが、ふと和火のことを思い出した。


…何が起こるかわからない森の中で、和火を一人にしてしまった。