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Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.100 )
日時: 2014/02/20 23:36
名前: いろはうた (ID: 6Bgu9cRk)

*加えて、あのコスプレのようなみやびやかな着物。

よく見れば、青年の後ろには数名の若者が控えていた。

従者のように見える。

全員から霊力を感じる。

どこか自分のと似た霊力を。

人間の目や髪の色は、長いこと霊力が身の回りにあったり、自身が霊力を何度も使用することで、

普通の人間じゃありえない色になる。

そのおかげで、御言葉使いである撫子の通常時の髪の色も濃い灰色だし、瞳も濃い藍色だ。

だが、あの青年ほど色がはっきり変わってしまっているのは見たことがない。

頭が痛い。

ズキン、ズキン、と絶え間なく痛む。

まるで何かを思い出そうとするかのように。


「あなたは…誰…?」

「…誰…?

 誰とは私に問うているのか…?

 悲しきこと。

 私を…忘れてしまったのか…」


ひどく古風な口調でそういうと、彼はスッと目を細めた。


「私は、白夜。

 長きにわたり『貴女』を求める者だ。

 ああ…やっと、不死の呪いもとける…」


痛い。

頭が痛い。

痛すぎて意識がもうろうとしてきた。

……もうろうとしすぎて、白夜、と名乗る青年が少しずつ、絹ごし豆腐にしか見えなくなってきた。

滑らかな声といい、真っ白な髪といい、もはや絹ごし豆腐以外のなにものでもない。


「ねぎと…ポン酢…」

「…?」

「……ひややっこには…だし醤油の方がいいかも…」

「…何を言っているの…巫女姫…?」


絹ごしの滑らかな声が、若干硬くなって木綿豆腐のようになったことで、撫子は、はっと我に返った。

ぷるぷると頭を振って邪念を落とす。