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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.117 )
- 日時: 2014/02/28 15:17
- 名前: いろはうた (ID: 6Bgu9cRk)
*撫子は、ふわりと意識が戻るのを感じた。
いままであったことを順番にゆっくりと思いだしていく。
ハッと目を見開くと、真っ先に木造の天井が見えた。
体を包むのはシンプルな白いふとん。
それほど大きくはない部屋に撫子は寝かされていた。
その時、静かに部屋のスライド式の木製の扉が開いた。
戸を開けた者と目が合う。
あの金の目をした若者だ。
彼は後ろ手に戸を閉めると、こちらに近づいてきた。
撫子はそれを見て、ふらつく体をあわてて布団から起こした。
「あ、あの、えっと、っておふあっ…!?」
いきなり若者は撫子の頭をわしづかみにすると、ぐいっと元のように彼女を寝かせた。
枕に激突するかと思ったが、背中に素早く回されたたくましい腕が差し込まれ、
気づけば元のように布団に横になっていた。
「あ、あの…」
「話なら寝たままでもできるだろ。
いいか。
起きんじゃねえぞ。
いちいち寝かせんのもめんどくせえ…」
…一応、遠回しに撫子の体調を心配してくれたようだ。
問答無用で頭をわしづかみされ、押し倒され、
眉間にしわを寄せながらめんどくせえ、と吐き捨てられたが。
「あ、あの…助けてくれてありがとうございました。
それで…その…」
和火の安否を尋ねようとした唇は途中で止まった。
彼のことをなんと呼んで尋ねたらいいのだろう。
私の友達は大丈夫ですか?だろうか。
和火とすごく微妙な関係なのだということを感じる。
彼のことを友達と呼んでいいのかすらわからないのだから。
「あの男のことか?
あれは、別の場所で寝かせてある。
女と同室で寝かせるほど無作法じゃねえよ」
……彼とは、一晩共に過ごしてしまったのだが。
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