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Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.122 )
日時: 2014/03/04 00:24
名前: いろはうた (ID: 6Bgu9cRk)

*「あの…和火に、私の友達に、会いに行ってはいけないでしょうか…」


若者の顔を見上げてみると、彼は眉間にしわを寄せたまま黙った。

なにか気に障るようなことを言っただろうか、と思っていると彼はぼそりとつぶやいた。


「…話せ」

「…え?」

「おまえの出自、霊的能力、どうしてここにきたのか、あと、あの男の能力についても話せ。

 知っていることは全部だ。

 なら、連れて行かなくもない」


鋭い刃のような瞳だった。

隠すことをよしとしない、獣の瞳。


「おまえの力、少ししか見てねえが、あの強き言ノ葉の力、今じゃ珍しい御言葉使いの力だ。

 それにあの男の力はもっとわけがわからねえ。

 霊力を持たねえくせして、あの白夜の三重結界をたやすく破った。

 そんな妙な力をもつおまえらが連れだって歩き回っているだけでも変だし、

 おまえらがまとっていた衣も、あまりにもおれらのものと違いすぎる」


はっとして自分が今身に着けているものを見ると、見慣れない白い小袖を二重に着せられていた。

ここではこのような着物のような服を着るのが一般的なのだろう。

この着物が普段着なら、撫子たちの学校の制服は相当奇異に映るに違いない。

制服だけでなく、リュックもチェックされただろう。

彼はそれらをみて、撫子たちは自分とは異なる存在だと認識したに違いない。


「まきこまれてやる。

 一時的にだがかくまってもやる。

 だから、話せ。

 話してくれねえとなにもわからねえし、おれにはおまえの面倒を見る者として知る権利がある」


実に正当な理由だ。

だが、ここにいてもいいのだろうか。

あの白夜とかいう青年によって、この若者が傷つくかもしれない。

そんな撫子の思いとは裏腹に、若者は彼女の枕元にあぐらをかいて座った。

もう、撫子の話を聞く気満々である。

撫子は、覚悟を決めて、これまでにあったことを彼に話し始めた。