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Re: ナメコとワカメのふらいあうぇいっ ( No.200 )
日時: 2014/04/03 20:58
名前: いろはうた (ID: DYDcOtQz)

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*今日は私の祝言(結婚)の日だ。




「レイヤ?

  もうすぐ式、始まっちゃうよ?

  なんでこんなところに連れてきたの?」


私は、レイヤという名の若者の顔を見上げた。


「…すぐにすむ。

 必ず式の前までにはお前を元の場に送り届けるから。

 ……でないと、おれがヒタギ様に殺される」

「あ、あはは……否定できない……」


ヒタギ、というのは、もうすぐ私の夫となる人の名だ。

彼は、やきもちやきだ。

私が少しでも彼のそばを離れて誰かといると、すぐにやきもちをやく。

それを嬉しいと思ってしまうところは、私もたいがい重症に違いない。


「…おまえに……伝えたいことがあってここに連れてきた」

「……?

 なに?」


彼の緑の瞳を見上げた。

相変わらず表情の読み取りにくいレイヤだけど、今日の彼はなんだかいつもと違う気がする。


なんだかとても——————苦しそうだ。


「れ、レイヤ!?」


と、思っていたらいきなり彼がひざまずいた。

彼が腰に差している二振の刀が地面にこすれて音をたてた。

それにかまわず、驚いている私の右手をとると、彼は私の顔を見上げた。


「…今、ここに誓う。

 おれは……おまえの騎士となろう」


突然の宣言に、私は驚くしかない。

レイヤは表情を変えずに言葉を続けた。


「…おまえはもうすぐ……ここの神社の忍の頭目の妻となる。

 それだけでなく、おまえは美姫と名高い巫女姫だ。

 これまで以上におまえは狙われることが増えるだろう。

 だから、おれがおまえを守る騎士となる。

 ヒタギ様は、任務でお前の傍にいられない時もあるあろう。

 その時は、おれがおまえの傍に在る。

 それを……誓う。

 この誓いは、たとえこの身が朽ちて魂だけになろうとも、

 何度でも生まれ変わって……おまえを守ってみせる」


どうして、とは言わなかった。

私はただ、ありがとうとレイヤに笑って見せた。

レイヤは、まぶしそうに、苦しそうに、私をその緑の目を細めて見つめた。




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