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- Re: 似たもの同士は恋をする。~秘密と恋の行方~ ( No.1 )
- 日時: 2014/01/17 22:24
- 名前: ひかり (ID: g7gck1Ss)
第一章「トビラの向こう。」
手がかり1 この秘密は、日常生活に大きく関わるものらしい。
「ねえ、今日野宮来てないよね………」
「あ、一週間停学らしいよ」
「え、まじ!? 原因ってケンカ?」
「うん、なんか不良にケンカ売ったらしいよ……」
ひそひそ会話する女子達。
季節は春。
今は昼休み。
そしてここは星南陵高校1年2組の教室。
「…………………。」
静かに窓の外を見つめる少女が一人。
彼女の名前は城崎 真由。
(………そろそろ昼ごはん食べにいこ。)
真由は立ち上がり、屋上へ向かった。
ギィっとい嫌な音がして、扉が開く。
いつも誰もいない、静かな場所………、だが。
今日は違った。
(このひとは…………)
見覚えがあった。
綺麗な黒髪。
全てを見据えたかのような、澄んだ青い瞳。
「………野宮、秋翔?」
停学のはずの野宮が何でこんなところにいるのか。
そうこう真由が考えるうちに秋翔がむくりと起き上がった。
「………何?」
「…………停学なのに何で学校に来てるの?」
「…別に、家にいてもやることねぇし。」
真由が秋翔のとなりに座り、パンの入った袋を開ける。
………と。
「………これあげる。」
真由が秋翔に焼きそばパンをつきだした。
「………は? いらねぇし。お前の分は?」
「サンドイッチもあるから。どうせ食べられないし。」
「………サンキュ」
それからしばらく、会話なし。
「………何で、ケンカするの?」
真由が秋翔に聞く。
「………不良ってさ。弱いヤツ脅して楽しんでんじゃん。………そういうの、俺嫌いだし。」
「………。」
「でもさ、弱いヤツをいじめるヤツの方が弱者だと思うんだ。」
(………秋翔って案外いい奴なのかもしれない。)
「………私も。そう思う!」
秋翔が少しビックリして真由の顔を見る。
「………そっか。」
それをきっかけに、真由と秋翔は少しずつ、互いを知っていく。
この先に待ち受ける険しい道を知らずに。