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Re: 似たもの同士は恋をする。~秘密と恋の行方~ ( No.11 )
日時: 2014/01/27 20:46
名前: ひかり (ID: g7gck1Ss)

第二章 3,「将来のユメ。」

真由と秋翔は付き合い始めて特に変わったと言えることはなかった。
朝、挨拶を交わし、一緒に屋上でお昼を食べ休み時間はたまに話す。
秋翔も真由も付き合ったことが一度もないので、カレカノ、というものがいまいちよく分かっていなかった。
六限目の総合は、進路の話だった。
将来の志望なんかを考える。
まったく、この前入学したというのに。
一人ずつプリントが配布され、その紙に進路希望を書く。
真由は、ひとり、手が止まっていた。
進路希望の紙と一緒に配られた資料を見ているらしい。
その時、後ろから軽く背中を叩かれた。
びっくりして真由が振り向くと秋翔が進路希望の紙を小さく掲げて
真由の方を見ていた。
「真由、志望決まってる?」
秋翔が聞いた。
「…………あ、えっと………まだ………。」
真由はとっさに見ていた資料を隠す。
「そっかー」
「秋翔は?」
「俺は………たぶん専門学校かな。」
秋翔は一応成績が良いらしい。
噂では中学の頃、五段階評価で5が半分をしめていたらしい。
「へぇ〜。…………私はまだ何も決まってないや。」
一瞬、真由の瞳が悲しい闇の色になった。
「真由?」
秋翔に声をかけられて我に返る。
「あ、ごめんっ!」
「いや、全然ダイジョウブ。」
ちょうど、授業終了を告げるチャイムが鳴る。
時間が経つのは本当にはやい。
「まだ進路希望のプリントが出せてない生徒は、明日までに出してくださーい!」
担任の野島先生が言った。