第三章 3,「会いたくて、アエナクテ。」野島先生と病院に行って以来、真由は毎日のように伊集院病院に通っている。でも、行っても行っても、返される言葉は同じ。 …………『面会謝絶』。だが、一週間後に事態は急変した。放課後、真由が一人で病院へ向かったときだった。いつも通り、受付の看護婦さんに秋翔に面会が出来るか聞く。すると、看護婦さんは、困ったようにこう言った。「野宮さんは、昨日の午後に退院されましたよ?」 「………え?」