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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 似たもの同士は恋をする。~秘密と恋の行方~ ( No.34 )
- 日時: 2015/10/23 01:07
- 名前: ひかり (ID: TkB1Kk0e)
第五章 3,醜いキョゾウ
いつからだろう。
お母さんが私に辛くあたるようになったのは。
忘れもしない、中学に入って、少し落ち着いた頃からだ。
私は、突発性難聴を発症して、片耳の聴覚を失った。
初めは母も心配して、病院にも何度も付き添ってくれた。
でも。
中学は私立で、難関校だ。
病院やなんやらで授業もろくに受けれずに、同級生から遅れていった。
取り戻そうと必死で頑張っても授業のスピードが早すぎて、片方の耳と補聴器では言っていることが理解できない。
テストの結果も悪くなる一方、姉は名門の高校に合格し、当然私への期待も強まった。
そんな生活に嫌気がさした。
姉を初めて憎いと思った。
恵まれて、望まれて、愛されて。
醜い嫉妬だと分かっていた。
でも、止められなかった。
高校は、家から近くて、レベルはそこまで高くない、無難な学校にした。
当然親は反対したけど、私は押しきった。
担任の先生にだけ、耳のことを打ち明け、難聴だということが中学時代のの知り合いにばれないように偽名を使うことにして、羨ましかった姉の名で生活した。
そして、現在に至る。
嘘で塗り固めた私の過去は汚くて、黒い。
そんな私を、
貴方は受け止めてくれますか?
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