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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 似たもの同士は恋をする。~秘密と恋の行方~ ( No.37 )
- 日時: 2015/11/01 23:40
- 名前: ひかり (ID: TkB1Kk0e)
第六章 1,「助けを呼ぶコエ。」
AM6:30。
朝練に励む生徒の声がグラウンドから聞こえてくる。
「ところで、どうしたんだい?君がこんな朝早くに、珍しい。」
野島亮汰はいつもの、人好きのする笑みでこちらを見て問うた。
「………城崎、京香って、知ってますか。」
秋翔の言葉に野島の顔が目に見えて強張った。
「…やっぱり、知ってるんですか。」
秋翔の顔が少し、悲しげに歪む。
ダメだ。
たとえ、あいつがどんな秘密を抱えてようが、逃げない。
少しでもあいつの抱えているものを、支えられるように。
「京香は、何を隠してるんですか?野島先生は知ってるんですか?」
せめて、何か出来れば。
「………僕の口からは、言えない。」
「…どういうことでか。」
「…本人のプライバシーにも関わる問題だ。それに話す話さないは城崎さんの自由だ。」
京香の、自由。
プライバシー。
話したくないこと。
「…それに」
野島が再び言葉を続ける。
「きっと、野宮くんも城崎さんから直接聞いた方がきっといい。きっと城崎さんもそれを望んでいる筈だ。」
野島は、優しくいつものように、だがはっきり秋翔を見て言った。
「わかりました。」
秋翔も野島を見つめ返す。
「今日の放課後、真由の家行ってきます。」
家の場所、教えてもらえますか、と聞いた秋翔に野島は、
学校はサボらないっていうとことか変に律儀だね、と笑った。
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