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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 似たもの同士は恋をする。~秘密と恋の行方~ ( No.41 )
- 日時: 2016/01/06 21:34
- 名前: ひかり (ID: zc76bp3U)
第六章 4,「ずっと独り、コドクのなかで。」
「私、左耳が聴こえないの。」
衝撃だった。
頭を強く殴られたときの感覚に似ている。
困惑している俺を尻目に京香は淡々と話す。
「右耳も、少し聴こえづらいの。だんだん聴力が落ちていってるて病院の先生も言ってる。将来的には両耳とも聴こえなくなるのかもしれないって。」
「…………いつから」
「中学に入ってすぐの頃からずっと。お姉ちゃんの名前を使ってたのも、中学のときのクラスメートとか、知り合いから耳のことを洩らされたら嫌だから。」
片耳が聴こえない____。
そんな素振り、全く見せなかった。
…………いや、見つけられなかった。
今思えばそうなのだ。
音楽プレーヤーのイヤフォンを拒絶したのも、あまり進路について良い顔をしなかったのも、生徒指導室で先生と話していたのも。
気づけなかったのは、京香に辛い思いをさせてたのは、俺だ。
「………ごめん、俺…、」
「謝らないで。嘘吐いて騙してたのは、私だから。秋翔は何も悪くない。だから、………
……………ごめんなさい、別れよう?」
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