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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 似たもの同士は恋をする。~秘密と恋の行方~ ( No.42 )
- 日時: 2016/01/08 00:53
- 名前: ひかり (ID: zc76bp3U)
第六章 5,「突きつけられたモンダイ。」
「………ごめんなさい、別れよう?」
耳のことを聞いたときよりも強い衝撃が頭に走った。
これは、_____夢?
「……今、……な……んて……」
京香は俯いたまま顔を上げず、俺の方を見ようともしない。
「……別れようって、言ったんだよ」
静かな声で淡々と述べる。
「ずっと、決めてたの。耳のことがバレたら学校やめようって。だから、秋翔とももう会わない。」
…………今、学校をやめるって。
二度と会わないって。
「来週から、お祖母ちゃんの家に引っ越すの。お母さんともお姉ちゃんとも、もう限界だし。潮時だね。」
いっそ清々しいような、そんな顔で言わないでくれ。
頼むから、もう、それ以上………
「………俺のこと、」
京香がピクリと動きを止める。
「………俺のこと、支えるって言ったのは嘘だったのか……!?」
京香の顔が寂しげに歪む。
でも、すぐに笑顔を張り付けて言い放った。
「うん、そう。ごめんね。ずっと騙してて。だから、もうお願い。………帰って。」
低く、どこまでも続く暗い闇のような声で促され、俺は城崎家の玄関を出た。
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