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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 似たもの同士は恋をする。~秘密と恋の行方~ ( No.46 )
- 日時: 2016/01/09 15:39
- 名前: ひかり (ID: zc76bp3U)
第六章 6,「サヨウナラ、またね。」
______ごめんね、秋翔。
あれから一週間。
私は引っ越しの準備を終え、手持ちの荷物を持って家を出た。
転校先の高校は耳のことに理解のある学校で、設備もとても整っている。
母は別に私に興味がある訳ではないので引っ越しについてもああそう、と承諾してくれた。
姉とは最後まで話をしなかった。
「………いってきます」
返事がないのは分かっていたが、一応声をかけておく。
靴を履いて、玄関のドアを開ける。
「……なんで、」
秋翔が、立っていた。
「なんでって……真由さんに引っ越しの日にち聞いて……見送りに」
「…帰ってよ」
見送りなんていらない。
そんなことをしたら、
「見送りなんてしたら、行けなくなるじゃないっ………!」
もう、諦めたのに。
お別れしたはずなのに。
「また、会いに行くから。迎えに行くから! だから、今は…………」
秋翔は、にっと笑って言った。
「いってらっしゃい!」
私は大人になっても、絶対にこのときの秋翔の笑顔を忘れない。
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