コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

プロローグ『未来』 ( No.1 )
日時: 2014/01/21 16:17
名前: あんず ◆zaJDvpDzf6 (ID: lTUNLL8H)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi?mode

ではでは、プロローグです。

    ──‥*※*‥──

暗い展望台に俺と君は立っていた。

空にはこれでもかと言わんばかりの星々。

そこに意味はなく、ただ綺麗だと思った。

隣には君が立っている。

繋いだ手が、とても暖かかった。

ふと、君が口を開いた。

『綺麗、ですね…』

──ああ、そうだな。

君の長く黒い髪が、風になびく。

『でも、なんだか怖いです。』

──怖い?なんでだ?

『吸い込まれそうな気が、しませんか?』

──なるほど、な。

それきりまた、会話は途切れる。

また二人で空を眺めた。

何をするでもなく、ずっと眺めていた。

君を見ると、その大きな瞳にはたくさんの星が

キラキラと映って見えた。

まるでそれが、宇宙のようだった。


突然、繋いでいた手がなくなった。

見れば、君は青い光になっていくところだった。

別段、驚かなかった。

きっとこれは、決まっていること。

何をしたって、君は行ってしまう。


『さようなら、ですね。』

──どこに、行くんだ?

『さぁ?わかりません。』

──怖くはないのか?

君は答えずにクスクスと笑った。

俺はそっと、消えつつある手を握った。

『じゃあ、さようならです。』

──じゃあな。どうせ、止めても行くんだろう?

君はまた、微笑んだ。

そしてそっと、その手を離す。

手を離した瞬間、何かものを言う暇もなく、

君は夜空に溶けてしまった。

──まったく、何を思って消えたのか。

語りかけるように、そう呟く。

その小さな声も、風に吹かれて消えていった。

──もし手を離さなかったら、君は。

──まだ、此処にいてくれただろうか。

そんな馬鹿げた考えに首を振り、

また俺はそっと空を仰いだ。

空は何も変わらずに、綺麗だった。

まるで君が消えたのは、嘘だとでも言うように。

そんなのは昔のことだよと、なだめるように。


そう、これは今ではもう昔の。

少年少女の儚くも美しい、奇跡の物語。

【人生なんて、ハッピーエンドだとは限りません】

さぁさ、この奇跡の物語の行方は…

──悲劇か喜劇か、その目で確かめてくださいな。

    ──‥*※*‥──

プロローグ…書ききりました…。

では!

good-bye☆