コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 祈りの音〜記憶の幻想曲〜 ( No.8 )
- 日時: 2014/01/23 10:27
- 名前: あんず ◆zaJDvpDzf6 (ID: hujSVxra)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=3539
こんにちは!
──‥*※*‥──
story2
「それでは行ってきます、叔母様。」
居間で叔母に礼をしてから
音をたてぬように玄関へと走る。
今は少しでも叔母から離れたかった。
一緒にいるのは散々だ。
葵は叔母がだいっ嫌いだ。
何をしても誉めてくれずに、
ただ上を目指せとしか言わない叔母が。
「ですが、学校も嫌ですねぇ…」
葵は学校ではいじめられている。
幼い頃からの叔母のスパルタの慣れで
大抵のいじめなら難なくスルーしているが、
やはり精神的にキツいものがあるのは間違いない。
(とりあえず、あまり考えないようにしましょう…)
叔母の家から10分ほどの近所にある私立高校。
私立なのに女子が荒れていて、
高校一年の春なのにこの有り様に葵はうんざりした。
学校へ続く一本道は、
まるで地獄へのカウントダウンに感じる。
学校へ近付くにつれ、
生徒たちの姿も徐々に見えてくる。
その大半の生徒は電車通学だ。
そして白い壁の大きな建物が見えてくる。
白い壁は散り始めている桜の花びらをのせた、
キャンバスのようにも見えた。
他の生徒は葵に好奇の目を向ける。
それは葵の美貌、もしくは
いじめられているという事実から来ていた。
その視線を無視して葵は下駄箱へ向かう。
葵の一年D組は学年でも指折りの荒れた生徒が
見事に集まってしまったクラスだ。
パカッと開閉式の下駄箱を開ける。
そしてそこには、まるで漫画のように
マジックで落書きされた上履き。
(まったく、高校生なのに大っぴらです)
いじめられるようになったのはほとんど
入学式直後だったが、葵はそのときから
高校生なんだから陰湿ないじめではないのか?
と的外れた点を気にしていた。
葵はその上履きを履いて、そのまま廊下を歩く。
慣れてしまえばこんなことは
どうってことないのだ。
一階の廊下を進むとすぐにある、
一年の教室が並んでいる場所。
葵は一番奥にある教室へと足を進めた。
ガララッ……
先ほどまで確かに騒がしかった教室が、
いきなり静かになる。
しかし葵が教室へ入った瞬間──
キーンコーンカーンコーン…
お決まりのチャイムがなった。
チャイムが鳴ってしまえば、
先生も来てしまうので朝、いじめはできない。
葵がいつも叔母に怒られながらも
学校に遅れてくるのはこのためだった。
葵は急いで窓側の一番後ろの列、
自分の席に座った。
「チッ」
あからさまな舌打ちが聞こえる。
右から聞こえたから多分、
このクラスの『女帝』、川口亜理砂だろう。
(また、憂鬱です。)
また退屈な一日が、始まろうとしていた。
──‥*※*‥──
でわでわ。
遊んできます(笑)
good-bye☆