コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

★黄色の部屋★ ( No.0 )
日時: 2014/01/25 10:45
名前: 瑠々藍 ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)

その時は 理科の時間で、理科室に居た

なんだか、授業がつまらないからなのか、この寒いせいなのか、気持ちが悪くなりそうだ。

「では ノート56ページを開いてください」
先生がしゃべる。
こちらがしゃべったところで、理科室は広いので、先生が気付くことはない。

「…ねえ、ユッキー…なんか揺れてない?」
真里菜が、私にしがみついてきた

「……確かに…!」
緩やかに大きく左右に揺れ動いている気もしないでもない。緩やかだから誰も気づかない。
それのせいで気分が悪くなったかもしれない。
ドキドキして、胸の音が聞こえる。

「…ちょ…!マリ、揺れてない?じゃなくて揺れてるよっ!!先生、地震ですよ!!」
ソレを聞き、隣に居た和花が叫ぶ。クラスメート振り向くが、何ともなかったように、教科書にまた目を通す

「へ?…そうですか?」
冷静を装って、教科書を読んでいた先生が苛立たしく
そういうと、窓の外に目を泳がせた。

運動場、体育の授業をやっている児童たちが、立ち止まっているはずなのに、揺れ動いている…

「地震だ!」
理科室の中の誰かが言い、誰かが悲鳴を上げた。

「机の下に!」
先生に言われる前に、和花と私と真里菜は、机に滑り込もうとした

「…机!」
男子が、机の下に先に滑り込んだ

「入れない!」
私が言う

「…ゴメン 柚希!」
が、机の下は、男子ふたりが占領し、私たちが取り残される始末。

「金庫はカギ開いてないよ?!」
真里菜が金庫に入ろうとするのを止め、私は真里菜を引き寄せる

「ユッキー!マリ!こっち!」
和花に呼ばれ、やむ得なく、近くの掃除道具入れに、入り込んだ。
そこは、教室のような縦長の掃除道具入れと違い、女子三人なら入れるスペースがあった。
扉を閉めるのはコワイので、開け放しておく。

真里菜と、私の鼓動が聞こえる。ホウキが当たって痛い。
さっきはパニックになって、人体模型の置いてある所に逃げようかとでも思ってしまったほどだ。

まだ揺れている。
ゆったりと揺れ動き、机の上のビーカーが、ガシャンと床に落ち、割れる音がちらほら聞こえる。

「怖い…」
真里菜が呟いた。

和花と真里菜とくっついているけれど、やっぱり怖い。

「先生!机がいっぱいです!」
涙目でその子は言った

和花の肩越しからはなしに見ると、私たちと違って、机に入りきらなかった子たちが居た。
理科室は、教室と違って、一人一つ机が無い。
その代り 五人で一つの大き目の机がある。

でもソコに入りきらないことも有り得なくない。まさに私たちがそうだ。

「マリとユッキーがちっちゃめなおかげで、あたしたちは入ったね!…机じゃないけど・・」
と和花が安心の声を漏らす。

「こっちへ!」
入りきらなかった人たちは、先生の机で一緒に隠れているようだった。

ガッシャーン!

ビーカーが割れ、中に入っていた水が飛び出す。

カーン!

横で振子が倒れる。
今日使ってないのに。

蛍光灯がピカピカと、何度か揺らいだ
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作者挨拶>>1
登場人物>>2

プロローグ>>0

第一章 〜螺旋〜

第一話【闇を抱いて】

Ⅰ世を滅す真実>>2