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　バカ……。ほんっとバカだ……。大バカすぎる。
「沙歩ちゃん、アイスが溶けてきているよ」
　テーブルを挟んで、目の前に座る如月。あたしの手には銀のスプーン。テーブルの上には小さめのチョコレートパフェ。
　本当にバカでしょ、あたし……。
　視線をよそにやりつつ、パフェの一番上のアイスをすくう。バニラにチョコがかかっていておいしい。
　……じゃなくて。
　パフェにつられて如月と寄り道とか。なにやってんだあたし。いつも面倒くさい事はとことん回避しているくせに。お菓子につられるな。
　光に話したら絶対大笑いされる。
「あ、よかったら何か食べて帰らないかい？　ケーキとか」
　如月のこんな言葉、さっさと断ればよかったのに……。こんなに後悔するのもめずらしい。それぐらいバカで面倒すぎる選択をした。