コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 面倒くさがり上等です。 ( No.22 )
- 日時: 2014/04/16 09:57
- 名前: 雨 (ID: 5YqwrR3X)
小さくため息をつく。
「どうしたんだい?」
あたしの顔をのぞき込む如月に、もう一度ため息をつく。端から見れば、そこそこの顔立ちをしているんだ、この人は。
「え、あの人けっこーカッコよくない?」
「ホントだー、って! 手ぇふってるよ! イイ人〜」
だからそこそこの視線が集まってくる。
イイ人って。見る目ないな。こんなチャラい笑みで、見ず知らずの人に堂々と手を振ってるのに。
かちゃかちゃとスプーンをパフェにつっこみ、アイスやら下にぎゅうぎゅうにされたクッキーやらを口に入れていく。
「そんなに急ぐと喉に詰まるよ?」
「ごちそうさまさようなら」
できれば永遠に会いたくないです。
心の中でそう続け、立ち上がった。
「もう行ってしまうのかい?」
ぞわりと寒気におそわれつつ、そっけなくうなずく。『かい?』とか本当に止めて欲しい。如月がニコリと微笑んだ。
「そうか。じゃあ、また明日、沙歩ちゃん」
は? 目を見開いたあたしに、わざとらしく首をかしげる。
「どうしたんだい? 今日の集会の内容を沙歩ちゃん、全然聞いてないだろう? だから明日、もう一人のクラス委員と集会教室に集合」
優しげに微笑む。……結構腹黒いんじゃないか。
座っているイスに引っ掛けていたスクールバッグの中から、如月が一枚の紙を取り出した。ぴらぴらと振る。ついでにウインク。
だから寒気が。
「この紙、クラス内でやる話し合いで必要だと思うよ?」
了解。明日、闇駆に行かせる。クライムの襲撃を阻止するための紙切れだとでも言えば行くだろう。ついでに如月がクライムの一員だと言えば、倒してくれるんじゃないか。
あまり期待しながらも希望を持ってみる。
あたしが背を向けたとたんに、隣に座っていた大学生らしい女の人に如月が話しかけ始めた。それはそれでむかつく。悪気がなさそうなのが余計。
あぁ、面倒くさい。