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Re: 面倒くさがり上等です。 ( No.34 )
日時: 2014/07/11 21:57
名前: 雨 (ID: 5YqwrR3X)

 リーダーが深刻そうな顔で口を開く。
「実は、抹茶色とねずみ色、ショッキングピンク色の隊員が足りないんだ」
 なにその、ヒーローにあるまじきマイナーな色。
「他にもセピア色、レモンシャーベット色、肌色など、たくさんの隊員が欲しくてな」
 ヒーローになる気あるんですか。後ろの三人の隊員も、なんでうなずいてるんだろう。そんなにいらないって。
「君にはショッキングピンクかレモンシャーベットをお願いしたい」
 わざと似合わない色を着せてバカにしたいのか。
 絶っ対嫌だ。
「今なら、ただの隊員じゃなく、書記の枠が空いているんだが?」
 どや顔で言われても。
「みーんな字が汚くて〜。書記にちょうどぴったりな人がいなかったんだよねー」
 へらっと笑ったのは副リーダーのミカさん。
「ほら〜。壁にかかった、この部の信条? ていうのー? 筆で一人一文字ずつ書いたんだけどさ〜。下手っぴでしょ」
 指された方を見上げると、
「……」
 悪いけど絶句した。
 長い紙に、墨汁が飛び散る勢いで書かれている。確かに上手とは言えない。けど、そこはなんかどうでもいい。

『悪逆無道! 悪なんて無い道をつくれ! カラフルレンジャー!!』

 ……意味知らないなら四字熟語なんて使うな。
「下手だよね。絶句するのも分かるよ」
「わたしのは綺麗よ。一緒にしないで」
「そぉ〜?」
「俺のも勢いがあっていいだろう」
 口々に言うけど、そこじゃない。
「悪い行いの事なんだけど」
 ぼそりとつぶやく。四人がきょとんと首をかしげた。
「コレの意味。悪逆無道、悪い行いの事。悪が無いことじゃないの」
「え、そうなのー?」
 副リーダーさんが目を丸くする。
 けど、他の三人は大変だった。
「なんだってぇぇぇーーっ!?」
 カッコつけたような表情はひっこみ、目をひんむいて叫ぶリーダー。
「え、そういう意味?」
 きょとんと首をかしげる深緑のシンさん。
「字的に見て、悪が無い、でしょ!?」
 眉を吊り上げて不機嫌そうに主張する蛍光のランさん。
「違います」