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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 面倒くさがり上等です。 ( No.39 )
- 日時: 2014/07/11 22:01
- 名前: 雨 (ID: 5YqwrR3X)
「会議を始める。礼」
輪になって床に座り込んだヒーロー(まがい)たちが静かに頭を下げる。
「議題は俺たちの信条について」
蛍光さんが、黒板に『信条について』とカツカツとチョークを鳴らす。
言っちゃ悪いが、下手すぎる。下手に繋げているから暗号並みだ。文字をつくった人が可哀想になる。
「ヒーローが悪の道を進んではまずい!」
リーダーがどん、と床を叩く。
なにを今さら。
「だが、俺たちの傑作をボツにするのはあまりに忍びないと言える」
リーダーの言葉に深くうなずく三人。
どうでもいいんだけど。会議とか面倒くさい。
「そこで提案だ。悪逆無道ーー悪が無いという意味に変えたらどうだろう?」
「おぉ〜!」
「それは……」
「いいと思うわ」
いいわけないだろう。
国語辞典にも載ってる言葉を、なに自分たち仕様にしてるんだ。一応ヒーロー戦隊を名乗ってる人達が自己中でどうする。
小さくため息をつく。本当にバカらしくなってきたんだけど。
「よし! では信条は変えず、意味だけ変えるという事でいいな?」
「らじゃ」
ヒーローたちで勝手にまとまり、会議は終了したらしい。
この人たちが信条を守るんなら、あたしのも守らせてくれ。面倒くさいアクシデントやイベントなんかは全部スルーしたいんだ。高校に入ってから、スルーなんかできやしない。
そろそろ帰っていいだろうか。忘れかけてたけど、ノートを提出しなきゃなんだ。
担当が橋見だから本人すら忘れてそうだけど。
「校内の見回りの時間だ。出動」
「らじゃ」
額にビシリと手を当て、廊下に出て行く。
「ほら、ショッキングピンクも出動だ」
は? あたし?
「キメ台詞はー、『目がチカチカ☆ 派手派手ピンクっ』だよ〜」
「これマント」
「さっさと行くわよ」
……なんかもう勝手にすればいい。
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