コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 面倒くさがり上等です。 ( No.4 )
- 日時: 2014/07/17 22:01
- 名前: 雨 (ID: 5YqwrR3X)
*2*
「じゃあクラス委員は、上野沙歩さんに決定しまーす」
ちょっと待て。
なにがどうしてこうなってる? クラス委員? あのクラスをまとめるとかいう、面倒くささの固まりの仕事? 上野沙歩? あたしのことだ。
ーー決定シマス?
あたしに向かっているクラスメートからのまばらな拍手に、嫌な予感。前に立っていた光を見やると、肩をすくめられた。
「ま、自業自得だね。クラス委員や委員会を決める大事な時間に、グースカ寝てたんだもん」
その後の休み時間、光は突き放す様に言った。
「だからってあたしをクラス委員なんかに……」
「他にやりたいっていう人もいなかったし、このクラスの中では意外と適任だと思うよ? 先生もいいんじゃないかって言ってたし」
「そうですよ。沙歩ちゃん、わたしの話も嫌がらずに聞いてくれますし、結構皆から慕われると思います!」
さらりと他人事に言った光に、やけに力んで断言した白鳥さん。
いや、白鳥さんの話は、何やらいかがわしい話題ばっかりだから、ほぼ覚えていない。キラキラ恋愛ストーリー大好きなんだなっていうだけの認識だ。
とにかくやめてくれ。入学三日目にしてあたしのスタイルがもう崩れてきた。
だいたい、『先生もいいんじゃないかって言ってた』? なんの安心材料にもならない。
自己紹介の第一声がこれ。
「ぁー、担任の橋見だ。よろしく。ねみぃ」
だらしなくのばした黒髪を後ろで軽くまとめている男教師。
一人の人間としてはあたしと波長が合いそうではあるけど、担任としては、遥かに頼りない。頼る気も起きない。
今日のホームルームも、光にまかせて、自分は窓際で寝てたらしいし。
「光がやればいいよ。あたしよりリーダーシップあるし」
投げやり気味にいうと、あっさり首を横に振られた。
「あたし、生徒会の方に入りたいから。クラス委員と両方はダメらしいんだよね。ごめん」
ここで謝られると、あたしが聞き分けの無い子供みたいだ。白鳥さんが気弱な目でちらりとこちらを見る。
「…………分かった、やるしか選択肢ないんでしょ」
しぶしぶ言うと、光はにっと笑ってあたしの頭をぽんぽん、と叩き、白鳥さんはうれしそうに微笑んだ。
「クラス委員はもう一人男子もいるから、そんな重荷じゃないよ」
「もう一人、男子………?」