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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 面倒くさがり上等です。 ( No.6 )
- 日時: 2014/07/17 21:57
- 名前: 雨 (ID: 5YqwrR3X)
と思ったら、額に手を当ててうつむき、肩をふるわせ始めた。
「……っくく、ふ、あはははは………!」
どこかの悪役がやりそうな高笑いを教室に響かせる。注目を集めるからやめてほしい。
「驚いたな……。この魔封道具を外せるほどの力を持つ者が、こんな近くに居たとは……」
………ピアス外さなきゃよかった。
「思いがけず助けられた。クライムに属しているわけではないようだな……」
逃げたい。
「クライムに俺達の力が渡ってはならない……」
俺 “達”?
「俺はすでに危険視されているが……。ヤツらは魔封道具がまだ効力を発揮していると油断しているはず……。そこを突けば、クライムを根絶やしにできるぜ……」
口元に笑みを浮かべる闇駆をただ見ていると、長い前髪の奥の左目があたしを捉えた。
「悪いが、協力してもらう……。闇の住人として闇と戦うのは過酷だ……。だが、それが力を持って生まれた俺達の運命……、覚悟を決めろ」
そんな覚悟誰が決めるか。中二の仲間入りをする気はない。
「奇遇にも、クラス委員とかいうヤツも一緒らしいな……。気楽な学生として身を潜めながら、クライムの情報を集めようぜ……」
あたしは気楽な学生一筋だ。気楽な中二に付き合うなんて面倒お断り。
「俺は幻術使い……。この右目で見ただけで、相手は幻術にかかってしまう……。裏での名は幻影の黒狼ーー」
あぁ、だから眼帯してるっていう設定か。
「よろしく頼む、術解師」
じゅっかいし?
「かけられた術を解く者をそう呼ぶ……」
そうすか。って、闇駆とこれ以上よろしくする気はない。
「今日の放課後、さっそくクライムの調査といこうぜ……同志」
同志にされた。
…………やっぱりクラス委員、辞退しよう。光には悪いけど。こんな面倒くさい人と一緒なんて嫌だ。
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