コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 恋舞う夜 ( No.4 )
日時: 2014/02/09 18:02
名前: クルミ ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)

「お願いします」

「はーい。…ルリちゃん もうちょっとこっち目線ね〜」
カメラマンさんが言う

あたし、漆雫瑠璃 ルリって呼ばれてる。

モデルやってるんだ。 楜澤ルリって名前で

楜澤は 母方のおばあちゃんの名前で。この機会に使わせてもらってる

ティーンズファッション雑誌 ロゼ・ピンクに、ムーラン・ルージュや、BlackJewelryなどなど いろんな雑誌や テレビ番組に出させてもらってる 

学校は休みがちになるけど 楽しいんだ

「お、今のいいね」
フラッシュが光る。

「次 お願いしまーす。」
カメラマンが叫ぶ

「はーい。撮ります」
数回とると、画像を確認し OKを合図する

「次 ルリだよ〜」
奧の部屋から声がして あたしは立ち上がる

「はーい」

「じゃ 最後ねー。」
カメラマンが 何度か写真を撮ると

「終わりです」
と立ち上がる

『ありがとうございました!』
あたしたちは 全員 車に乗り込む

「みんなー♪! 寒いのに撮影?もう終わったの〜?」
車に乗り込むあたしたちの目前で、楽しげハッピーオーラのユウナ先輩が言った

この雑誌はクールビューティー&無愛想な人が多くて しゃべる人が居ない。大抵は ルリがしゃべって見過ごす

「そうです。終わりました。これから移動して また撮ります。先輩これから撮影ですか?」
あたしが訊くと、頷いた

「そうだよー! オレンジ・キャンディの撮影があるの。じゃーねー♪」
去っていくと、車の中で エレナが言った

「いっつもハッピーオーラだね。あの人。うちらの出てる雑誌のイメージと正反対」
その言葉に、らなも頷く

「そうね。オレンジ・キャンディは 明るい元気系の雑誌だもの 無縁よ。子供っぽ過ぎるわ。ルリの知り合い?」
そう言われて

「そうです。前に オレンジ・キャンディに出てたことがあって。イメージに合わないって言われて ムーラン・ルージュでしばらくやってましたけど」
そう言うと、前方で

「出発するわよ。エレナ、らな、ルリ 全員シートベルトしなさいよ」

『はい!!』

おしゃべりを辞めて、窓に額を押し付ける。

乗り物酔いしないように、とエレナが横で酔い止めを飲む。
忘れてた。わたしも飲まないと。

「次は、科学館の前 街中だけど 裏だから 人はいないわよ。科学館の丸いドーム型で、異世界感を出して 不思議な感じで撮影。最初はルリとエレナがひとりで一枚ずつ 次に ルリとらなが二人で撮影 最後に三人で撮影して終了ね」
ルリのチーフマネージャーの留美が運転しながら言うその横で、エレナのチーフマネージャーも言う

「あくまで主役は服よ。頑張って」

プルルル…プルルル

「あ、ルリじゃない?」
横で エレナが小突く

「あ、そうだ。」
後方の席にある鞄を引っ張りだし、中を探る。

ケータイ

「もしもし」

『あ、お姉ちゃん? 美夢だよ。』
のんきな声が聞こえて ハッとなる

「五時に、媛恋高原?」
そう言うと、美夢も頷く

『そーだよ。あたしも skypoachの撮影でそっちに向かうから 一緒に帰ろうね』

「分かった。ちょうど、留美さんの車が回らなかったから。うん、じゃーねー」
妹の美夢も、大人気モデルだ。

でも、だいたい一緒になることはない。

美夢→元気イメージ

に対して

ルリ→クールイメージ

だから。

雑誌のイメージが違うから、同じ雑誌に居ることはない。

「ミユちゃん?」
らなに訊かれて、頷く

「そうです。」