コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 飛鳥予知夢 ( No.4 )
- 日時: 2014/02/26 16:46
- 名前: memory (ID: BT8pEM9W)
今回からは、いつも通り、小説を進めていきます。
そしてなんと!新しく神様トージョーです!!ぜひ読んでくださいね♪
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4、 美里利琳 対 百合原星羅
昼になると、太陽がじりじりと暑くなる。
飛鳥と衣織は昼飯を済ませ、また、長い旅を続けていた。
「琳さん、どこいったんだろーね、飛鳥。」
「んー……。」
飛鳥の視線は、衣織ではなく、はるか遠くを向いているようだ。
きっと、一度見つけた琳と、また会いたいのだろう。
でも、足だけは止めない。
少しでも、残りの神のいる場所に近づくために。
「……あっ。」
衣織が、声をあげた。
でも、飛鳥は静かに、
「……どうした。」
と言うだけ。
「どうした、じゃないの!!今、琳さんがいたの!ほら、あそこ、森の中!」
衣織は、遠くの山を指差す。
「見えないけど……。衣織、目、いいね。」
飛鳥は半信半疑で言う。
昼とはいえ、ここから100mほど先の山にいる人を探し出したのだ。
衣織は、相当目がいいようだ。
「行こ!?ね、早く!」
飛鳥は少し考えて、うなずくと、歩き出した。
「ここは、どこだあ?」
黒髪の男が、石に腰かけ、ひとりごとを言っている。
間違いなく、美里利琳だ。
ここは、森のなか。琳は方向がわからないよう。
「あぶねぇ娘とチビから逃げたと思ったら、これか。」
琳は木と木の間から見える青い空を睨み付けた。
ガサッ……。
後ろから、木々を踏む音がする。
琳は、サッと、身構え、叫ぶ。
「誰だっ。出てこい。」
もう一度、ガサリと音がする。
「驚いちゃった?ぼくは百合原星羅。でも、そこをどいてくれるかな。」
どうやら、琳と同じくらいの年齢の男のようだ。
大きな目と、高い位置で結んだ髪、細いからだをみると、一見少女のようだが、迫力のある声と堂々とした姿は、立派な武士みたいだ。
「なぜ、おれが退かなきゃいけねぇんだ。」
華奢だからとは言って、手加減はしない。
だが星羅は、ひるむどころか、クスリと笑った。
「わからない……?そちらが退かなきゃ、ぼくは通れないんだよね。」
「あんた、異常にムカついてくるんだけど?」
琳は、歯を食いしばる。
「そうかな。ふふっ、ぼくは良いけどね。ムカつかれても。……でも。気に食わないんだ、その態度。退いてくれればいいのにさ。だからね。退いてもらうんだ。」
星羅は、刀を抜くと、切っ先を琳に向けた。
琳も、素早く自分の刀を抜く。
1回、2回。切っ先がはげしくぶつかる。
「いきなり、刀かよ。きたねぇ野郎だ。」
琳は刀を押し合いながら、ニヤリと笑う。
2人同時に飛びずさったとき。
琳がふっと身を引いた。
そしてばっと後ろを向くと、すごい速さで逃げ出す。
「なっ……。」
星羅は琳を追うが、琳の速さには追いつかない。
2人の差はどんどん広がるばかり。
方向がわからなかった琳だが、逃げているうちに、外の風景が見えてきた。