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Re: 飛鳥予知夢 ( No.14 )
日時: 2014/03/03 22:03
名前: memory (ID: BT8pEM9W)


7、 飛鳥の第2予知夢


飛鳥たち3人は、宿でゆっくり寝ていた。
その夜、飛鳥は夢を見た。

ーここは、どこだ……?
飛鳥は、辺りを見渡す。
すると、いきなり視界に人が入り込んできた。
衣織と、星羅だ。
「なんだよ。星羅さんまで…!?」
飛鳥は驚いて、2人に怒ってしまった。

でも2人はにこにこして、飛鳥を見ている。
「だから、何なんですか。というか、ここ、どこ……?」
飛鳥は2人に聞いた。
「ここ?ここは、近江に向かってる途中の道。2人で交代して飛鳥をおぶって来たの。飛鳥、寝てたし。」

飛鳥は今までの旅の疲れがたまって、明るい若旦那の宿から出るときも寝ていたらしい。
そこで、女の衣織と男だが小柄な星羅が交代しておぶってきてくれたのだ。
あまりにも、申し訳ない。
「悪かった。すまない。大変だっただろ?星羅さんも、すみません。」
飛鳥は深々と頭を下げる。
そんな飛鳥に、2人は戸惑う。
「!?」
「や、やめて……。頭、あげて……!」
ようやく飛鳥が頭をあげると、衣織と星羅が今までのことを語り出した。

「ところで、飛鳥。さっきね、あたしたち、いい情報を聞いたの。」
飛鳥は、すぐさま姿勢をただす。
衣織はにっこりとして、口を開く。
「赤の勾玉を持つ美少年が、この道を通ったって。」
続いて、星羅も話す。
「で、その少年、西に向かったって!!やっぱ、近江にいるんだよ。神様!!」
星羅の透き通ったような目は、涙でうるんでいた。

飛鳥は、うなずく。
「ありがとう。早速、近江に向かおう。」
3人は、立ち上がり、早足に近江に向かった。

ー飛鳥は、目を覚ますと、辺りをうかがう。
まだ夜で、宿の中にいるようだ。
「衣織、衣織。」
飛鳥は夢を知らせようと、衣織を起こす。
衣織はばっと起き上がると、飛鳥を見つめた。
「何……??」
眠たそうな目をこすり、聞く。

「夢、見たよ。予知夢かもしれないから、教えておく。明日、いい情報がもらえる。これだけ。ごめん、起こして。」
「本当……?あたし、飛鳥を信じるね。おやすみ。」
衣織は少し微笑んだように言うと、また、横になって、すやすやと寝始めた。
飛鳥も、疲れたからだを少しでも休めるため、横になり、そして、すぐに寝息をかきはじめていた。

飛鳥はきっと、自分が寝すぎてしまうことも忘れているだろう。