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Re: 飛鳥予知夢 ( No.17 )
日時: 2014/03/09 21:45
名前: memory (ID: BT8pEM9W)


10、 元気すぎ


明るい太陽が照りつける中、飛鳥たちは、結城の村を出て、次の神探しにとりかかる。
結城ははじめての旅に興奮しているせいか、落ち着きがない。
衣織は呆れたように結城をちらりと見る。
「なんか残念。もう少し、静かな感じだと思ってたのに。」
だが結城はそんなことにも構わず、元気よく歩き続ける。
「ねぇ、衣織姉さん。次は、どこに行くの?」
「んー。どうしよっかなー。大和、行ってみる?」
衣織の提案で、4人は大和(奈良県)に行くことにした。

相変わらず太陽はぎらぎらで、まるで結城の感情を表しているようだ。
実際、結城は太陽をコントロールできるのだが。
でも、自分自身ではまだ、太陽を操れるほど神としての力がない。
操れるようになれば、好きなときに太陽を地球から遠ざけたり、近づけたりできるようになる。

4人は、かなり速く歩いているようで、明日には大和に着きそうだ。
原因は、結城。
結城が他の3人を急かしながら歩くので、いつもの倍くらいの速さで向かっている。
そんな結城の元気さには、誰もかなわない。

飛鳥たち3人は、お手上げというように両手をあげた。
「うー、もう無理。休憩。」
ついには、
「うん、少しやすんだ方がいい。」
頑固な飛鳥でさえ、こう言った。

だが結城は驚いたように目を見開くと、不満そうに言った。
「えぇー。早くない?」
水分も、食料も食べずのまずでこの距離を歩いた。
しかも、倍の速さで。
それでも元気な結城は、まさに太陽の神にふさわしいと言えるだろう。
「もーぅ、美少年でも元気すぎはやだぁー。」
衣織は、道の真ん中で叫んだ。