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Re: 飛鳥予知夢 ( No.21 )
日時: 2014/04/01 19:13
名前: memory (ID: BT8pEM9W)


13、 進化した予知夢


ー飛鳥の予知夢。
それは、知らない内に見ていて、知らない内に現実になっているもの。
だが今は、違う。

飛鳥の予知夢が、進化した……!

飛鳥が宿で休む夢を見れば、現実でも宿で休んでいる。
衣織が甘えてくる夢を見れば、現実もそのとおりになる。
それが、毎日のように続くのだ。

「飛鳥の見た夢は、全部現実になってる……!」

情報がもらえる夢を見れば、現実でももらえるだろう。

いいこともあるが、恐ろしいことも考えられる。
そして、飛鳥が夢を操れるようになれば、この世界は飛鳥の思い通りになってしまう。


「何でこんなことに……!」
飛鳥は、悔しそうに唇を噛む。
「飛鳥さんが悪いんじゃ、ないよ?」
そう言う星羅も、実は困り顔。
「というか、予知夢って、進化するものなのか?」
風の神、東はかなり冷静。

衣織は悲しそうに答える。
「飛鳥の予知夢が進化するのは、飛鳥の周りに神様が増えたからだよ。」
説得力がある。
飛鳥以外の3人の神は、自分達がいるせいで飛鳥が悩まされていると思うと、悲しみが込み上げてきた。

「ぼくたちのせいで飛鳥兄さんが悩んでいるんでしょ?そんなの、やだ。」
結城は大粒の涙を、ぽろりとこぼした。

その時、今までの重たい空気を壊した人物がいた。
「あ!ばらばらになればいいんじゃない!?」
星羅。
その意見に、飛鳥が質問する。
「でも、みんなが集まったときはまた……。」
だが、そこで怯まないのが星羅だ。
「その時には、また考えるよ。ぼくに任せて?」
「ね、ねぇ。ちょっとぼく、よく分かんない。」
一番年下の結城は、星羅の意見が分からなかったようだ。

そこで星羅は結城に自分の意見を聞かせた。
「えっとね、まず……、ぼくたちの中で、2人と3人に分かれるの。それで、それぞれ新しい神様を探して、最後に集まるの。分かった?」
星羅は結城がうなずくのを見ると、にこっと笑った。

5人は星羅の意見を実行することにし、2人と3人に分かれた。
飛鳥と星羅の2人と衣織と東、結城の3人という風に分かれることとなり、新しい神探しの準備が整った。

衣織の意見で、新しい神が見つかっても見つからなくても、一年後に美濃に集まるのがいい、ということになった。

やっと馴染んだ仲間と別れるのは辛いが、一年後、また会える。
5人はそれぞれ、自分に言い聞かせ、お互いを見送った。