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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 魔法使いの青春理論 ( No.4 )
- 日時: 2014/02/28 18:47
- 名前: 瑞咲 ◆7xuwBG6R9k (ID: oq1piOCI)
【序章】
空は快晴。
桜はまだまだ咲かないけど、梅が綺麗に花を開いている。
この屋敷のバルコニーからは、その様子がよく見える。
私は隣に立つ、メイド服を着た少女に言った。
「ねぇユリ、私たちのギルド、他のところみたいに賑やかになれるかなぁ」
メイドでもあり、私の大切なパートナーでもある白髪の少女ユリ—百合—は、
微笑を浮かべて頷いた。
「はい、ご主人様がリーダーを務めるこのギルドなら、必ず賑やかになりますよ」
私は「ありがと」と返し、再び尋ねた。
「ユリ、準備は出来てる?」
「もちろんです。いつでも出発できます」
「よーし…」
私はポケットに手を突っ込み、そこに入っている
手のひらサイズの棒状のものを取り出した。
それを身長よりも高い大きさに…元の大きさに戻し、跨った。
「早速行こう、仲間探しという初仕事に!」
「かしこまりました」
私とユリは、青空へと飛び立った。
私の名前はツバキ—椿—。
光の魔法使いだ。
昨日申請し、設立したばかりの魔法ギルド「百花繚乱」のギルドリーダーでもある。
今のメンバーは、私とユリの二人だけ。
これじゃあ少ないから、依頼引き受けを兼ねて仲間を集めるのだ。
私はこのギルドを「とにかく楽しい」ものにしたいと思っている。
楽しい魔法騒ぎ——うん、完璧だ。
そんな期待をこめて飛翔する私たちを、梅の花びらを舞い踊らせる風が加速させた。
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