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- Re: 魔法使いの青春理論【ひたすらバトル】 ( No.84 )
- 日時: 2014/04/06 18:54
- 名前: 瑞咲 ◆7xuwBG6R9k (ID: B6N9vk9k)
27.
「これって…」
僕は床に散らばった他の資料も手に取った。
それらはすべて麻薬の取引状だった。
この世界における麻薬は、人体に悪影響を及ぼす 危険な薬のことで、
所持することは許されていない。
つまり——麻薬の取引状を持っているカシワギは、法を犯したことになる。
「なるほどねぇ…。この部屋は音楽室に見立てた資料室だったんだね」
僕はその何枚かをポケットに突っ込んで立ち上がった。
まだ痛むが、たいしたことはない。
そして、主人の悪事を知られて狼狽えている執事に言った。
「あなたから聞き出す前に見つけちゃったよ。だから仕方ない」
これ見よがしに、思いっきり微笑んでやる。
「口が開けなくなるまでボロボロにしてあげる」
そう告げて間もなく、僕は呪文を唱える。
「龍の飛翔は大地を揺るがす——」
執事は銃を取り出したが…
「出でよ、風陣!」
残念、僕のほうが早かった。
僕の背後に、二メートルほどの巨大な魔法陣が現れた。
その魔法陣は、そこから突風を吐き出し始める。
「くっ!?」
突然の強風に、執事は銃を手放した。
——今だ。
僕は両手を突き出して唱えた。
「エアバレット・マシンガン!」
両手から魔法陣を召喚し、風の銃弾を解き放つ。
銃には銃で反撃だ。
背後の魔法陣から出る突風に押されてスピードの増した銃弾は、
狂いなく執事に命中した。
「くっ…!やりますね。しかし!」
執事は勝ち誇ったように笑い、大きくジャンプした。
魔法陣の大きさはおよそ二メートル。
しかし、床から天井までの高さはその倍以上ある。
つまり、執事が飛び上がったところは風が通っていない。
「もっと大きな魔法陣にしたほうがよかったのでは!?」
「——かかったね、執事サン」
「何?——っ!」
執事の身体を、僕が生み出した気流の縄が捕らえた。
そう、これは僕の策略。
のこのこと風をよけたところを捕らえ、そして…
「はあああああああああああっ!!」
それを力の限り、思いっきり床に打ち付ける!
ドガァァァァッ!という音と共に、床にヒビが入る。
気流の縄を解き、突風を止めて執事を見ると、彼は気絶していた。
「よし…しばらくそのまま寝ているといいさ」
そう言い残し、僕はすぐに音楽室を出た。
休む?そんな暇なんてない。
それよりも今は——メンバーを探さなくては。