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- Re: 魔法使いの青春理論【ひたすらバトル】 ( No.98 )
- 日時: 2014/04/18 21:30
- 名前: 瑞咲 ◆7xuwBG6R9k (ID: 21getbfq)
33.
私——ツバキは、屋敷内をひたすらさまよっていた。
誰にも追われずに済んだのはいいけど、一人での行動はやはり心細い。
おまけに、二階にいるのだが、たまに天井や地下から震動が伝わってくる。
ユリたちが戦っているのだろうか。
心配だが、私が今やるべきことは、屋敷の捜索だ。
それが済んだらメンバーと合流してここから出て、報酬げっとだ。
…が、どの部屋にも、悪事の証拠と思わしきものは見つからない。
「もぅ…この家…広すぎ…」
愚痴りながら廊下を歩いていると、ソファが目に入った。
廊下にソファ…珍しい光景だ。使用人の休憩用のものなのかなぁ。
まぁ何にせよ、少し腰掛けるくらい問題ないだろう。
「ちょっと一休み…」
ぽすん、と腰をおろした。
突如、座るところがパカッと開いた。
「え?」
見ると、その先には真っ暗な空間が続いていた。
どうやら落とし穴のようだ。
つまり、ソファに腰掛けた私は、その落とし穴に落ちるということで。
「うわあああああああああ!!」
最後に見えた天井には、こんな言葉が書いてあった。
『残念!トラップでした☆』
「でした☆じゃないよおおおおおおおおおおおお!!」
どすん!と落ちたと思いきや、そこは傾斜になっているらしく、
通風口のような狭くて暗い通路を転がっていく。
「ぎゃああああ!止まれええええ!」
叫んだ直後、私の身体は、狭い通路から広い空間へと投げ出された。
重力に従って、みるみる地面に近づいていく。
「ぎゃあああこれ直撃は痛いよね絶対!つ、杖!」
光の速さでポケットから杖を取り出し、原寸大に戻して跨がる。
——その直後、天井から鉄格子が落ちてきた。
「ぎゃあ!」
すぐさま避けたため、何とか閉じ込められずに済んだ。
飛んでいなかったら確実に閉じ込められていただろう。
「はぁ…ヒヤヒヤしたなぁ…。戻ろ…」
元来た道を戻ろうと、通り穴に向かおうとしたが、
「あれ?もう一つある」
反対側の壁にも通り穴があることに気付いた。
…こういう時に好奇心が湧いてしまうのは私の性癖だ。
「…行ってみよっと。何かあるかもしれないし」
私は反対側の通り穴に入った。
通路はやはり真っ暗だったため、暗視魔法を使って進む。
暗視魔法とは、暗闇の中でも周りがはっきりと見える魔法だ。
「何もないなぁ…」
そのまま杖に跨がって進み続ける。
すると、通路の底面に金網が取り付けられているのを発見した。
近寄ると、金網はとある部屋の天井に取り付けられていることが分かった。
その部屋の様子を伺ってみる。
そこにあったのは、
(え…人…?)