コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 放課後1時間目01 唯一の友達 ( No.2 )
- 日時: 2014/03/04 00:11
- 名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)
アストンマーチンのステアリングを握っているのは
壮吉の唯一の友人である医学部二年生の
生沢幸雄、20歳(CV:神谷浩史さん)だ。
「車の中でお菓子食うなよ、
誰が掃除すると思ってんだ?」
ステアリングを握りながら幸雄が
助手席の壮吉に注意する。
「あっ、わりぃ」
壮吉がポテトチップをカバンにしまう。
壮吉と幸雄が知り合ったのは高校のときからだった。
友達がいなかった壮吉は地元の大病院のボンボンで
女にモテる幸雄がうらやましかったのだ。
女の友達が多かった幸雄だが、男友達は全くいなかった。
嫉妬からか、幸雄は他の男子のクラスメートからは
靴を隠されたり、体操服を汚されたりと
嫌がらせを受けていたのだが、壮吉だけは
嫌がらせには加担していなかった。
そしてある日、壮吉は幸雄から
「男同士の友情を育みたい」という
お友達申請を受け、今に至っている。
「それで、お前って今部活とかやってるのか?」
突然、幸雄が話しかけた。
「いいや、何もしていないよ」
壮吉が答えると、幸雄が提案を仕掛けてきた。
「じゃあさ、オレが部長をしている部活に入らないか?
歓迎するぜ」
「あれっ、お前って部活してたっけ?」
「最近作ったんだよ、その名も放課後友人倶楽部」
「何だそれ?」
聞いたことも無い部活名に壮吉は疑問の表情を見せる。
「プレイボーイとプレイガールしか入ることの許されない
高貴な倶楽部さ
フレンチ仕様のハレンチ・パーティーなんてことは
しないけどな」
幸雄が自慢げに答える。
「ハレンチ・パーティだと?
入部してみたいけどさ……」
壮吉が悲しそうに呟く。
「入部料金、お高いんでしょう?」
「なんだ、金の心配なんてしてんのか?」
幸雄が笑う。
「入部料金なんてかからないぜ、
オレが全部負担してやる、友達だからな」
「そうか……」
大学から五分ほど車を走らせ、アストンマーチンは
一軒の店の前に停まった。
「じゃあ、入部のことは考えておけよ
待ってるからな」
「あぁ、じゃあまた明日」
壮吉が車から降りる。
「じゃあな」
そう言って幸雄は車を走らせていった。
「放課後友人倶楽部か……」
壮吉が走り去る車を見つめながら
呟いた。
壮吉の近くにある店の名前は
「ワルシャワ」という三階建ての店だった。
昼はお食事処として営業しており、
アミティエ大学の学生達が昼食を食べるのに
いつも賑わう店だった。