コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 放課後2時間目 新たな友人たち ( No.7 )
- 日時: 2014/03/07 00:50
- 名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)
「だ、誰?」
壮吉が絹恵に尋ねた。
「なんかうちの部活を潰そうとしている変な人なの」
絹恵が壮吉に答えると、女の子は語り始めた。
「私はアミティエ大学法学部二年生の式場(しきば)さおり、
20歳、現在お友達募集中、将来の夢は正義のヒーロー
よって、この学校の風紀を乱すお前らに今日こそ鉄槌を
下してやるわ!」
式場さおり(CV:井上麻理奈さん)はまるでミュージカルのごとく
大きなアクションをしながら答えた。
「おおっ、そこのお前は新入りか?
正義の心があるならこんな部活はやめたまえ」
さおりが壮吉に指差した。
「そういうあんたのその服装は何?」
絹恵がさおりを注意した。
たしかに、さおりの服装は短いスカートに金髪、
その風貌は真面目なイメージのある法学部とは
程遠かった。
「ふざけるな、正義に見た目など関係ない!」
さおりが必死に反論する。
千恵子も絹恵に加勢してきた。
「それにあんた、学校にカミナリ族(暴走族の俗語)みたいな
バイクで通学してなかった?
あれは法的にダメだと思うよ」
「バカ、あの250A1(日本のバイクメーカーカワサキのバイク)は
私の魂を吹き込んだ私の唯一の最高の相棒だぞ、
最高の咆哮を聞けるように改造したんだぞ、
それに公道ではスピードは出していないし、
ヘルメットもしてるんだぞ」
顔を真っ赤にしながらさおりが反論する。
少し涙を浮かべているようにも見える。
「わかった、あなたはきっとここに入りたいからいつも
ここに訪れているのね?」
キャロルが笑っている。
「キャロルは何でもお見通しなんだぜ」
幸雄が笑いながらさおりに話しかけた。
「入部届けさえ出せば入れてあげるよ、
君みたいなカワイコちゃんは大歓迎さ」
「そうだよ、歓迎するって」とは千恵子だ。
「素直になればいいのに」
絹恵が優しく微笑みかける。
「う、う、うるさーい」
ついにさおりは泣き出してしまった。
「今日はこれで勘弁してやる、
覚えていろよ!」
さおりは部室を飛び出してしまった。
「あれって完全に悪役のセリフだよな」
幸雄がさおりの後姿を見て呟いた。
壮吉はどこか彼女に同情を感じてしまった。
しばらくすると、部室内に昌弘が入ってきた。
「お、おっさん、どうした?」
壮吉が尋ねると、昌弘はだるそうに答えた。
「この部活の顧問はオレだぞ、
まさかお前が入るなんて思わなかったよ」
昌弘が一升瓶の酒を飲んだ。
「あっ、そうなんだ……」
その日の夜、壮吉はワルシャワの厨房で
枝豆をゆでていた。
「で、部活はどうだったんだ?」
誠一が壮吉に尋ねる。
「変わり者ばっかりで疲れましたよ……」
「なんだよ、まだ二話だぞ
これから作者の気が続く限り
話は続くんだぞ」
誠一が壮吉の肩をたたく。
「でも、楽しかったんだろ?」
「はい……
また行きたいっす」
壮吉は照れながら答えた。