コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 放課後3時間目 パベルの仮面 ( No.9 )
- 日時: 2014/03/09 13:09
- 名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)
「おまけにパベルはスポーツの経験も豊富でな、
かつてサッカーソ連代表の候補にも挙げられていた
ことがあったんだ、
おまけに顔立ちもかなりハンサムでね、当然女子生徒たちからも
圧倒的人気者だったのさ」
「その人がどうしたの?」
絹恵が尋ねる。
昌弘が話を続ける。
「しかし彼はある日突然顔に硫酸をかけられたんだ、
今でも犯人は分かっていないんだが、
一説によると彼の人気に嫉妬したモテない一人の
生徒が犯人とも言われている」
「ちょっと健二、随分酷いことしてくれたね」
千恵子が突然健二に話しかける。
「硫酸なんて酷すぎだよ、
こっちに来ないで、私たちにもかける気でしょ?」
キャロルが怯える。
「ふざけんな、なんでオレが犯人なんだよ
オレまだ大学生じゃなかったし」
必死に健二が反論する。
「まぁいいや、話を続けるぞ」
昌弘が話を続ける。
「パベルは一命こそ取り留めたものの、
顔は酷いやけどが残ってしまったんだ
そして数ヵ月後、彼は再び教授として復帰したんだが
その顔にはガスマスクがされていたという
まるでその顔を隠すみたいにな、
どんなときもパベルは人前でガスマスクを外さなかったんだ、
そして一ヵ月後、パベルは美術室で首を吊って自殺したんだ
その後、この学校には今もパベルの怨念が残っていて
毎晩色々な怪奇現象を起こしているんだ」
「ちょっと、かわいそうな人だね……」
壮吉が呟いた。
「壮吉君も思った?
私も少しパベルが気の毒に思えたの」
絹恵も賛同した。
同じ頃、学長室にてさおりが学長と話をしていた。
「パベルの仮面ですか……」
さおりも同じ話を学長から聞かされていた。
「そうなんだ、こないだも用務員さんがパベルの亡霊を見たって
言ってきたんだ
どうせ誰かのイタズラだろうから、今夜調べてほしいんだ」
学長が命令する。
「頼むよ、これでどうだ?」
学長がさおりに一万円を手渡した。
「わ、分かりました……」
さおりが嫌そうに答えた。
その日の夜、誰もいない静まり返った大学内を
さおりは懐中電灯を持って歩いていた。
「たしか美術室は四階だったよね……」
二階を歩いていると、突然廊下の蛍光灯が
点いたり消えたりを繰り返した。
「うわぁ! パベルの怪異か?」
さおりが腰を抜かした。
同じ頃、一階では壮吉が蛍光灯のスイッチを
何度も押していた。
「おかしいなー、何で点かないんだ?」
「あぁ、それは二階のスイッチだよ」
幸雄が隣のスイッチを押すと、
一階が明るくなった。
「よし、行こう」
絹恵が壮吉たちを引き連れた。
実はあの話を聞いた壮吉たちはパベルを成仏させようと
思っていたのだった。