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Re: 放課後3時間目 パベルの仮面 ( No.10 )
日時: 2014/03/09 23:59
名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)

さおりはたった一人で美術室へと歩いていた。
「うぅ、やっぱり怖いなぁ」
いつも強気なさおりが少し怯えている。

一方、壮吉たちも美術室へと向かって進んでいた。
「それにしても、オレたちだけで成仏なんて出来るかな?」
壮吉が絹恵に尋ねる。
「大丈夫、キャロルだっているんだし、
成仏できないのは何かワケがあるはず
それに、いつまでも彷徨っているなんてかわいそうだもん」
絹恵は答えた。

そして、壮吉たちが美術室のドアの前に立った。
「壮吉、開けてみろ」
幸雄が壮吉に命令する。
「ふざけんな、なんでオレが開けなきゃダメなんだ?
そういうお前がやれ」
壮吉が幸雄に反論する。
「バカ、今はドアを開けるなって医者に言われてるんだよ」
幸雄が反論する。
少し怯えた声だった。
「千恵子ちゃん、開けてみる気はないか?」
幸雄が絹恵に尋ねる。
「やだよ、やっぱ怖いもん」
千恵子が答える。

こうして、誰がドアを開けるか議論をしていると、
さおりがドアの前に現れた。
「おいお前ら、何してんだ?」
さおりが尋ねると、キャロルは答えた。
「パベルの亡霊を成仏させに来たの」
「パベルなんているわけ無いだろ、バカを言うな」
そう言うと、さおりは美術室のドアを開いた。
すると、さおりの顔の真横に
彫刻刀が飛んできて、壁に刺さった。
「うわぁ!」
さおりが腰を抜かした。
「帰れ!」
どこからか声が聞こえたかと思いきや、突然
壮吉たちに筆やキャンバスが飛んできた。
「ここはお前たちの来る場所じゃない」
声がだんだん大きくなっていく。
「やめて、私達はあなたを排除しに来たんじゃないわ」
キャロルが声を荒げる。
「ずっと一人で寂しかったでしょ?
少しでいいの、話を聞かせて」
すると、筆などが飛んでくるのが納まった。

幸雄がそっと美術室の明かりをつけると、
美術室の中央にガスマスクをつけた一人の男が
宙に浮いていた。
「お前が、パベルだな?」
壮吉が尋ねた。
「いかにも、オレがこの学校の亡霊であるパベル様さ」
パベル(CV:三木眞一郎さん)は答えた。
「これまでの幽霊騒ぎはアンタの仕業なの?」
千恵子がパベルに尋ねる。
「そうさ、誰一人としてオレの話を聞いてくれる奴はいないんだ
だからその腹いせに暴れているのさ」
「一つだけでいいから教えて、
あなたはきっとこの世界に未練を持っていて
死ぬに死に切れないんでしょ?」
キャロルが尋ねると、パベルは呟いた。
「未練なら一つだけあるさ」
「教えて、私達が解決してあげるわ」
絹恵が優しく問いかけた。