コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 放課後4時間目 フレンチ・ハッスル ( No.14 )
日時: 2014/03/10 16:17
名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)

さおりはカミーユと学長とともに
足跡を追っていった。
昨日は大雨だったこともあり、地面は泥だらけだった。
そしてその足跡は、駐車場に止められていた
白いプジョー・404(フランスの自動車メーカー
プジョーが製造していた中型セダン)のトランクの前で
途切れていた。
「これは私の愛車なんだけど……」
カミーユはそう言うと、トランクのキーの部分を
指差した。
「これは針金でこじ開けられた跡よ、
この車のキーで開けられたものではないわ」
そう言いながらカミーユがトランクを開けた。
すると、そこにはあの絵画がしまわれていた。
「きっとあなたは私に罪を着せようと思って
いたんでしょうね、でも私の推理の前には
通用しなかったわ」
「ち、違う、私がやったんじゃない」
さおりが必死に反論する。
「失望したよ、君はこの絵画のために
私に付きまとっていたのか?」
学長が怒りをあらわにしている。
「ち、違う!」
そう言うと、さおりは駐車場を走って逃げていった。

数分後、さおりは「ワルシャワ」のカウンターに逃げ込んでいた。
そこでは、壮吉と絹恵とキャロルが
ホットケーキを食べていた。
「頼む、私を助けてほしいんだ」
突然さおりが頭を下げ始めた。
「どうしたの?」
絹恵がさおりに尋ねる。
「実は今私は無実の罪に追われているんだ」
さおりは一部始終を話した。
壮吉は一言だけ答えた。
「分かった、オレたちでどうにかしてみよう」
「その話、オレも協力させてもらうぜ」
話を聞いていたマスターの誠一も加わってくれた。
「店の倉庫に隠れていろよ」
匿ってくれるようだ。
嬉しさのあまり、さおりは泣き出した。
「うぅ、みんなすまない……」

壮吉たちは学長室に忍び込んだ。
幸い学長とカミーユはいなかった。
壮吉たちは学校を隈なく調べ始めた。

すると、学長とカミーユが戻って来ていた。
「おい君たち、ここは立ち入り禁止だぞ」
学長が壮吉たちを見つけると、注意を始めた。
すると絹恵はこう答えた。
「只今より、世紀の推理ショーをお届けいたします」
キャロルが続ける。
「学長さんの絵画が無くなったって事件ですが、
絵画ならまだ存在していますよ」
「何を言っているんだ?」
学長が不思議がる。
「学長はこの教室から何かが無くなったと
思いませんか?」
壮吉が続ける。
「そういえば、応接室のテーブルクロスが
無くなっているような気がするな」

すると、絵画が飾られていた壁の前に立った
絹恵が指を鳴らした。
すると、壁に張られていたテーブルクロスが剥がれ落ち、
盗まれたはずの絵画が現れた。
「ど、どういうことだ?」
学長は我が目を疑った。