コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 放課後5時間目 エレクトロニック・ロジャー ( No.16 )
- 日時: 2014/03/11 14:49
- 名前: バーミンガム・プディング (ID: r40/B5y7)
「よーし、かっ飛ばせ中嶋!」
壮吉が「放課後友人倶楽部」の部室のテレビに
食いついている。
「くたばれタイタンズ!」
小さな傘を持って幸雄と昌弘がテレビに叫ぶ。
現在、テレビではプロ野球の「東京タイタンズVS
東京アストン・コンドルズ」の試合が
中継されていた。
タイタンズファンの壮吉と
コンドルズファンの幸雄と壮吉が必死に
応援合戦を繰り広げている。
一方、部室の後ろでは健二が漫画を読んでいる隣で
絹恵たちがガールズトークを繰り広げていた。
「本当にカッコいいよね、このザ・ロータスって
私はベースのデイビッドが一番好き」
千恵子が音楽雑誌を絹恵たちと読んでいる。
ザ・ロータスとは千恵子が溺愛するグループサウンズのバンドだ。
「そうだ、今日4時のワイドショーに
ロータスが出るんだった」
千恵子が思い出す。
「あれっ、もう4時になるよ」
キャロルが忠告する。
すると、絹恵が壮吉に話しかける。
「ちょっと、ワイドショーが見たいんだけど」
壮吉が反論する。
「野球中継が終わってないぞ」
「まぁ待てよ、続きはワルシャワで見ようよ
絹江ちゃんたち、見ていいよ」
幸雄がテレビから離れる。
「ふざけんな、コンドルズが負けちまうぞ」
昌弘が幸男の胸倉をつかむ。
「まぁ待ってよ、ワルシャワのご飯おごってやるから」
「そうか、じゃあいいか」
壮吉も昌弘も妙に納得した表情で受け入れた。
翌日、健二を除く放課後友人倶楽部の一同が
テレビの前に集合していた。
「早く始まらないかな」
壮吉がわくわくした様子で呟く。
すると、テレビに黒いマントに黒の上下のスーツ、
黒いマスクで目を隠した男が現れた。
「キャー、カッコいいー!」
絹恵が叫ぶ。
すると、横から健二が
壮吉に話しかけた。
「なぁ、アニメ見たいんだけど……」
すると、一気に健二への集中砲火が行われた。
壮吉「ダメだよ、今見てるじゃん」
絹恵「そうだよ、空気が読めないな」
千恵子「本当その年でアニメなんて気持ち悪いな、
絶対チャンネル変えさせないから」
キャロル「加藤君、今私たち集中してるからさ」
昌弘「なめたこと言ってんじゃねぇぞ」
幸雄「ワルシャワで見て来いよ」
耐え切れなくなった健二は部室を飛び出して
ワルシャワまで自転車を飛ばした。
ワルシャワの横にはさおりのバイクが停まっていた。
ワルシャワに入るなり、健二が叫ぶ。
「ちょっと、アニメ見せてくれ」
しかし、健二の主張を聞くものは店にいなかった。
店のカウンターにはさおりと誠一がテレビに見入っていた。
「今日こそミシェルの仇を討ってやるぜ」
壮吉たちが見ていたあの番組だった。
「くそっ」
チャンネルを変えようと、健二がダイヤルをいじろうとすると
健二の顔の横に包丁が飛んできた。
「おじさん、これ見てるんだけどなぁ」
投げたのは誠一だった。